1997 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制剤非存在下でのアガロースマイクロカプセル化異種膵ランゲルハンス島移植
Project/Area Number |
08671477
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
青松 幸雄 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (60254497)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 祥介 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (00142381)
|
Keywords | 異種移植 / 免疫隔離 / 膵ランゲルハンス島 |
Research Abstract |
【目的】これまで同種ラ島の経門脈的肝内移植においてnitric oxide(NO)がラ島の破壊を誘導するという報告があるが、マイクロカプセル化異種ラ島腹腔内移植におけるNO関与についての報告はない。今回、三層型マイクロカプセル化異種ラ島腹腔内移植モデルにおける生着成績および末梢血中NOの変動について検討した。【方法】STZ(50mg/kg)誘導糖尿病Wistar rat(male,8-9週齢,200-300g)をレシピエントとし、Syrian golden hamster(male,8-10週齢)をドナーとした。700個、1200個、3000個のラ島を三層型マイクロカプセル化し、糖尿病ラットの腹腔内に移植し、血糖値および体重の推移を観察した。またマイクロカプセル化ラ島3000個移植群およびマイクロカプセルのみ投与群(コントロール)を設定し、移植前及び移植直後から2週間の末梢血中NOを測定し、移植前値との比を比較した。【結果】700個、1200個群では、血糖低下を認めなかったのに対し3000個群では平均124日間生着し、体重増加も正常ラットと同等であった。末梢血中NO比は、移植群では2日目ないし4日目にピークを示した後低下し、コントロール群より有意に高値であった。【まとめ】1.三層型マイクロカプセルを用いたハムスター・ラット異種ラ島腹腔内移植モデルにおいて、長期生着を得るには3000個のラ島が必要であった。2.ラ島の存在により移植後早期の末梢血中NOは有意に増加しており、本モデルにおけるNO関与の可能性が示唆された。
|