1996 Fiscal Year Annual Research Report
食道表在癌に対する内視鏡的粘膜切除術の適応拡大をめざした悪性度診断に関する研究
Project/Area Number |
08671484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
幕内 博康 東海大学, 医学部, 助教授 (80095645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千野 修 東海大学, 医学部, 助手 (00246117)
水谷 郷一 東海大学, 医学部, 助手 (60209757)
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Keywords | 食道癌 / 内視鏡的粘膜切除術 / リンパ節転移 / 食道表在癌 / 内視鏡 / 内視鏡診断 / 食道粘膜癌 / EEMR |
Research Abstract |
食道早期癌のうち粘膜上皮(m1)と粘膜固有層(m2)にとどまるものは、リンパ節転移をきたすことはなく、内視鏡的粘膜切除術(EEMR)の絶対的適応である。しかし、粘膜筋板に浸潤するもの(m3)や粘膜下層表層(sm1)に達するものでは10〜15%にリンパ節転移が認められる。この群でEEMRの適応となるものはどんなものかを明かとした。 全国諸施設から外科的根治術を施行し、病理組織学的に深達度m3,sm1とされた症例124例を集めた。m3 65例sm1 59例で、このうちリンパ節転移を有していたものはm3 9例13.8%,sm1 13例22.0%合計22例17.7%であった。これらにつき腫瘍長径,臨床病型,分化度,浸潤度,脈管侵襲とリンパ節転移の関係を調べた。 (1)腫瘍径とリンパ節転移との関係はn(+)例の31.8%が4cm以上で、4cm以上の21.2%がn(+)であったが、両者に一定の傾向が認められなかった。 (2)O-I型,O-III型,IIa+IIc型では他の病型より有意(p<0.05)にリンパ節転移が多かった。 (3)分化度では高分化型5.6%,中分化型18.2%と比べ低分化型は60.0%とリンパ節転移率が高かった。 (4)浸潤度ではinfα0%,infβ19.1%と比べ,infγは71.4%とリンパ節転移率が高かった。 (5)ly(+)はリンパ節転移が36.4%とly(-)2.9%に比べ有意(p<0.05)にリンパ節転移が多かった。 臨床的にEEMRの適応外と考えるO-I型,O-III型,OIIa+IIc型や腫瘍径4cm以上を除くとこの中にリンパ節転移を有する症例の81.8%が含まれる。これ以外の症例にEEMRを適応してみてmod.diff.でinfβly(+),infγ,poorly.diff.のものを外科的切除術の適応とするとsensitivity100%でリンパ節転移陽性例を外科的治療することとなる。また、内視鏡所見からEEMRの適応外と考えられるものの中に、リンパ節転移を有するものの82%が含まれていることになる。m3,sm1も積極的にEEMRを適応していくべきと考える。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiroyasu Makuuchi: "Endoscopic Mucosal Resection for Early Esophageal Cancer-Indication and Techniques-" Digestive Endoscopy. 8・3. 175-179 (1996)
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[Publications] 幕内博康: "内視鏡的食道粘膜切除術後長期経過例の検討-異時性多発癌を中心に-" 胃と腸. 31・10. 1223-1233 (1996)
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[Publications] 幕内博康: "食道癌と重複腫瘍" 癌と化学療法. 24・1. 1-7 (1997)
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[Publications] 幕内博康: "早期食道癌に対する内視鏡的粘膜切除術" 日本気管食道科学会会報. 47・2. 150-154 (1996)