1998 Fiscal Year Annual Research Report
胃全摘後の再建用空腸pouchの機能に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08671492
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中根 恭司 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60155778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 常秀 関西医科大学, 医学部, 助手 (20199590)
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Keywords | 胃全摘術 / 空腸pouch再建術式 / quality of life |
Research Abstract |
【目的】平成8年、9年度の基礎的および臨床的研究の成果を下に、約20cmの空腸Pouchを作製し、Pouch・Roux-Y(PR)法とpouch・interposition(PI)法の2群を設定し、どちらが術後QOLの面からみて有利であるかにつき、randomized studyで比較検討した。 【対象・方法】70歳未満でstage IVを除く胃癌胃全摘例(各群15例)のうち、再発なく術後1年以上経過例24例(PR群13例、PI群14例)を対象とした。検討項目として、定期的に術後愁訴、摂食量、体重、各種栄養指標などを検討し、術後1年目に内視鏡所見およびRI胃排出能を比較した。検査食は全粥に全卵1個および99mTc-DTPAを添加したもの200gを用い、立位で腹側正面より測定した。【結果】術後愁訴として、食後の嘔気・嘔吐・つかえ感、胸やけ・胆汁逆流、およびダンピング症状などの出現頻度について検討したが、いずれも低率で差はみられなかった。一回食事摂取量を術前健康時の50%以下、50-80、80%以上に分けて比較した。80%以上摂取可能例は術後1年で両群とも90%程度と良好であった。また術後体重は健康時体重比で比較したが、いずれも良好で差はみられなかった。各種栄養指標(TP,Alb,T.chol,PNI)についても、同様に差は認められなかった。内視鏡所見では、PR群に食物残渣および輸入脚への挿入不能例が若干多い傾向がみられた。RI排出試験では、貯留能ではPR法がやや有利であった。 【結語】randomized studyによるPR法とPI法との術後2年目までの比較では、いずれも術後のQOLは良好で、差はみられなかった。しかし、長期的なfollow upのためには十二指腸・胆道・膵の検索ができるPI法が有利である。
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