1997 Fiscal Year Annual Research Report
外科重症患者における白血球の動態と接着分子の変動に関する研究-特に食道癌・胃癌周術期および敗血症性DICにおける白血球機能について-
Project/Area Number |
08671493
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Research Institution | KANSAI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山中 英治 関西医科大学, 医学部, 助手 (20210495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日置 鉱士郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (60077641)
桝田 緑 関西医科大学, 医学部, 講師 (50173753)
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Keywords | 接着分子 / 手術侵襲 |
Research Abstract |
平成9年度はまず平成8年度に行った進行食道癌患者を対象とした周術期の白血球の動態と接着分子の変動に関する検討に栄養評価と栄養管理の面からの検討を加えて、データを整理し考察を行い学術雑誌に原著論文として報告した。 要旨:進行食道癌では術前から食物の通過障害と担癌による代謝異常があり、さらに術前化学療法や放射線療法も加わり、栄養状態、白血球機能を含む免疫能の低下が生じる。これに手術侵襲が大きく白血球の反応も多大な食道癌手術が施行されるため侵襲期の栄養管理をはじめとする周術期管理は術後感染症などの合併症の予防の面でも重要である。そこで周術期の白血球機能を接着分子発現量で測定し、周術期の栄養管理の差による変化を中心にその推移を比較検討した。白血球数とCRP値が術後第3病日に最高値を示したのに対し、接着分子は術前が高値で術後第1,3病日と低下し、8,15病日と漸増した。術前絶食群と経口摂取群で接着分子を比較したところ、術前から第3病日までは術前絶食群が高値の傾向があったが、経腸栄養開始後の第8,15病日には両群の値は近似となった。術前に絶食状態は接着分子の発現量を亢進させ、術後の経腸栄養による腸管利用は免疫能に好影響を与える可能性が示唆された。 次に、ラット腹膜炎モデルを用いて接着分子と活性酸素酸性能を測定する実験を行った。結果として、腹膜炎前後の比較においては腹膜炎後のH_2O_2産生が増加しており好中球の活性化が確認された。また接着分子は腹膜炎後にMaC-1の発現量のみが増加していた。このことから侵襲後においても末梢血中の白血球の全ての接着分子発現量が増加するわけではないことが示唆された。
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[Publications] 森 毅, 山中英治, 桝田 緑, 日置鉱士郎: "食道癌周術期における末梢白血球機能および経腸栄養の影響" 外科と代謝・栄養. 31巻・6号. 353-360 (1997)
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[Publications] 森 毅, 桝田 緑, 山中英治, 高橋伯夫, 日置鉱士郎: "ラット腹膜炎モデルにおける末梢血中および腹腔内の好中球機能の比較検討" 外科と代謝・栄養. 31巻・3号. 209 (1997)