1997 Fiscal Year Annual Research Report
ハムスター実験膵癌における化学予防の検索-プログレッション機構制御の追究
Project/Area Number |
08671497
|
Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
岩本 末治 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60168599)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 博之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30148712)
|
Keywords | ハムスター実験膵癌 / 化学予防 / β-カロチン / パームカロチン / 緑茶ポリフェノール / α-カロチン |
Research Abstract |
膵癌を予防しうる物質を検索する目的で,6週齢雌シリアンゴールデンハムスターを用いた短期膵発癌モデルにおいて,膵管上皮過形成の出現する時期より,被検物質としてα-カロチン,β-カロチン,パームカロチン,緑茶ポリフェノールを投与した。膵の病理学的検索を行い,被験物質の膵発癌抑制効果を評価すべく,本年は昨年報告した実験結果を数量的に再評価した。 短期膵発癌モデルに従い発癌操作を行った。(実験1)実験開始50日目より55日間,25ppm,50ppm α-カロチン,25ppm,50ppm β-カロチン,100ppm緑茶ポリフェノール(GTP),複合投与群として,225ppm α及びβカロチン+100ppmGTPを飲水中に混じて投与した。1匹あたりの膵管病変の発生個数はコントロール群28.0±3.9に対し,25ppmβ-カロチン群においてのみ14.8±6.6と,有意に減少していた。(実験2)実験開始50日目より45日間2ppm,25ppmβ-カロチン,40ppmパームカロチン,50ppm,500ppm,5000ppm GTP,そして40ppmパームカロチン+50ppm GTPを飲水中に混じ投与した。一匹あたりの膵管病変の発生個数は,コントロール群27.3±6.2に比べ,25ppmβ-カロチン群14.4±5.0,40ppmパームカロチン群17.0±8.3,40ppmパームカロチン+50ppmGTP群で19.4±4.4と有意に減少していた。500ppm及び5000ppmGTP群においてもコントロール群と比較し、有意な減少が認められた。以上も結果より,β-カロチン-ムカロチン,GTPの4.膵管癌発生(プログレッション期)に対する抑制効果の可能性が示唆された。 上記研究のまとめを行い,Pancreasに発表した。
|
-
[Publications] 伊木勝道: "孤立性小腸転移を来した黒色腫の1例" 日臨外医会誌. 58・2. 415-418 (1997)
-
[Publications] 岩本末治: "膵嚢胞の手術" 外科治療. 76・5. 837-840 (1997)
-
[Publications] 岩本末治: "5-fluorouracil/cisplatin(FP)療法が無効でMethotrexate/5-fluorouracil交代療法が奏効した進行胃癌の1例" 癌と化学療法. 24・13. 2005-2009 (1997)
-
[Publications] Toshimitsu Majima: "Inhibitory effects of β-carotene,plam carotene,and green tea polyphenols on pancreatic carcinogenesis initiated by N-nitrosobis(2-oxopropyl)amine in Syrian golden hamsters." Pancreas. 16・1. 13-18 (1998)
-
[Publications] Tsukasa Tsunoda: "Topics.Staging and treatment for patients with pancreatic cancer.How small is an early pancreatic cancer?" J.Hep.Bil.Panc.Surg.(in press). (1998)