1997 Fiscal Year Annual Research Report
ネオプテリンの放射線障害抑制効果と膵癌治療への応用についての基礎的研究
Project/Area Number |
08671504
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Research Institution | AICHI CANCER CENTER RESEARCH INSTITUTE |
Principal Investigator |
森本 剛史 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (70182269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 修 愛知県がんセンター, 研究所・病理学第二部, 室長 (00142167)
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Keywords | ネオプテリン / スーパーオキシド消去剤 / 放射線障害 / x線 / マウス / 延命効果 |
Research Abstract |
致死量の放射線を照射したマウスの腹腔内にスーパーオキサイド消去剤であるネオプテリンを投与しておくと、延命効果があるとともに、およそ40%のマウスは長期の生存が可能であった。このときネオプテリンの投与を受けたマウスにおいては、胸腺リンパ球や脾細胞の数の減少に抑制効果があるとともに、その機能もPBS投与群に比して維持されていることが明らかとなった。また肝臓の放射線障害も抑制されていた。ネオプテリンは血流によって個々の臓器に到着し、スーパーオキサイド消去剤として働き、放射線障害を軽減していると考えられる。 膵癌等においては血管新生が乏しい例がしばしばある。このような癌に対して放射線照射と前後してネオプテリンを投与すれば、癌に対しては有効な線量が与えられ、正常組織は薬剤で保護することができる可能性がある。この条件を探るために、ヒト膵癌培養株をヌードマウスの皮下に移植し、まず癌細胞の増殖に伴った血管新生を検討した。移植癌が小豆大になったときに、血管内に造影剤を投与し、移植癌とともに皮膚を剥ぎ、x線フィルム上に血管の走行を記録した。Paca 2株は増殖に伴って癌腫の周囲ばかりでなく内部にも多くの血管新生があった。一方、PK1株においては癌腫の周囲には血管新生が認められたが、癌組織内にはそれがなかった。 これらの癌を後肢皮下に移植し、癌増殖部以外には鉛板で覆ってから、35Gyのx線を照射し、対照非照射マウスの移植癌との増殖を比較検討した。その結果、x線を照射された癌は消失することはなかったが、対照に比較してその増殖はおよそ1/10程度であった。現在これらの移植癌をもつマウスにネオプテリンを投与するとともに、x線の線量をどこまであげられるかを検討しているところである。また癌を膵臓内に移植し、同様のことを試みている。さらにこのような処置をした腫瘍に同時に温熱を加えることを試みている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Doi,T. et al.: "NF-κ B relA deficient lymphocytes: Normal development of T cells and B cells,impaired production of lgA and lgGl and reduced proliferative responses." Journal of Experimental Medicine. 185. 953-961 (1997)
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[Publications] Igakura,T. et al.: "A null mutation in basigin,an imunoglobulin superfamily member,indicates its important roles in peri-implantation development and spermatogenesis." Developmental Biology. (in press). (1998)
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[Publications] Takeuchi,M. et al.: "Suppression of spontaneous uveoretinitis development by non-immunopathogenic peptide immunization." European Journal of Immunology. (in press). (1998)
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[Publications] Ohno,K. et al.: "Successful transfer of localized autoimunity with positively selected CD4+ cells to scid mice locking functional B cells." Autoimmunity. (in press).