1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入による虚血耐性獲得を応用した循環停止法における脳保護に関する研究
Project/Area Number |
08671526
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今川 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (90273622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶌 教偉 大阪大学, 医学部, 助手 (30263247)
澤 芳樹 大阪大学, 医学部, 助手 (00243220)
門場 啓司 大阪大学, 医学部, 講師 (00185886)
|
Keywords | 脳虚血 / 遺伝子導入 / bcl-2 / HVJ-liposome |
Research Abstract |
1.脳に対する遺伝子導入法の開発 Willis動脈輪が形成されないため頸動脈遮断で容易に脳虚血が得られる砂ネズミで表面冷却により全身低体温とし、総頸動脈のクリッピングにより脳循環停止とする。循環停止中に脳室内あるいは血行性にFITC oligonucleotideならびにLuciferaseをreporter-geneを含んだHVJ-liposomeを注入した。30分から2時間の循環停止の後、脳循環を再開し、動物を蘇生させて4〜5日生存させFITC oligonucleotideならびにLuciferaseの発現を確認した。 2.脳虚血耐性獲得実験 上記1で得られた手技で癌抑制遺伝子bcl-2の遺伝子導入を行い、実験動物の回復過程における神経学的評価を行った。実験動物は5日後に犠牲死せしめ、脳神経その他の病理組織学的変化を調べ生存細胞数をカウントした。また免疫組織学的染色により遺伝子を導入した蛋白質の発現とその局在を確認した。脳細胞内にbcl-2の発現は認めたものの、生存脳細胞数には有意差を認めず、本方法にては脳虚血耐性の向上は認められなかった。 3.今後の方針 我々の手法により、脳に対する遺伝子導入が可能であることは明らかとなっており、本法を用いて、神経栄養因子(NGF・BDNF)の遺伝子導入を行い、脳虚血耐性の向上をめざす。
|