1996 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光in situ hybridization法による早期肺癌遺伝子異常の検出
Project/Area Number |
08671545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
中村 治彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (80183523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 治文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20074768)
小中 千守 東京医科大学, 医学部, 助教授 (70147180)
齋藤 誠 東京医科大学, 医学部, 講師 (30225734)
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Keywords | 癌遺伝子 / 肺癌 / 早期肺癌 / in situ hybridization |
Research Abstract |
FISHによる癌関連遺伝子の検出を行うための至適条件の検討を行った。使用したDNAプローブはp53とc-mycに対するFISH用ブローブである。ヒト末梢血液から採取したリンパ球をPHA存在下に増殖・培養し、コルセミドで分裂中期細胞を集め、カルノア液で固定後、スライドグラス上に滴下して正常ヒトリンパ球の染色体標本を作成し、分裂中期及び分裂間期の正常ヒト細胞の遺伝子検出を試みた。p53遺伝子について分裂中期細胞に関しては98%の細胞において1個の細胞について2コピーの遺伝子が検出できたが、分裂間期細胞では82%にとどまり、現在カルノア固定とスライドグラス上でのリンパ球進展の条件を変えて、分裂間期細胞においても95%以上の陽性率が得られるように条件を検討している。あらかじめc-mycの増幅がわかっている肺癌培養細胞株を用いて、同様にして染色体標本を作成したところ、分裂中期、間期細胞ともに全ての細胞でコピー数の増加が検出できた。p53遺伝子に関して、欠失のない肺癌培養細胞株を対象とすると、分裂中期で2コピーが確認された細胞は87%、分裂間期では68%であった。従って遺伝子増幅の検出は現在の反応条件で充分可能であるが、本来2コピーの遺伝子の欠失を検出するためにはさらに至適条件を検討する必要がある。目的とする生体から採取した検体は細胞数が少なく、全て分裂間期細胞を対象とするため、さらに検討を進めている。
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