1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671549
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Research Institution | Tokyo Women's Medical College |
Principal Investigator |
川名 英世 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20201444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 恭正 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (20194235)
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Keywords | 人工臓器 / 横隔膜 / 横隔神経麻痺 / 換気障害 |
Research Abstract |
横隔神経麻痺や神経筋疾患の呼吸補助装置としての人工横隔膜の開発の基礎的研究を行った。パドルにより横隔膜を腹側に押し下げる方法を検討した。このシステムは横隔膜の機能を補助するのが目的のため人工横隔膜(Diaphragma Asist System (DAS)と呼ぶ事にした。実験は成犬を全麻下にclam-shell開胸で行った。 予備実験では、パドルの支点を両側後方第10肋骨に取り付け前方から張力発生装置により引き下げる方式を検討した。取り付けの後、胸腔内を陰圧に保ちパドルを引き下げると胸腔内圧がさらに陰圧になり肋骨が内方に運動し肺をdeflateさせる動作の時、胸壁がパドルの動作を阻害した。この現象はパドルをかなり小型化しても発生した。 上記を踏まえ本実験では横隔膜の押し下げと肋骨の内方運動が同時に起こらない様にするために、パドル周囲をケースで取り囲んだ。ケースを第7肋骨に固定しパドルはケースの後方を支点として運動するようにした。またパドルが能動的に持ち上がるようなスプリングを取り付けた。この方式では、最大呼気流量=300ml、最大一回換気量=110mlを認めたが、吸気時にスプリングにより張力発生装置に負荷が掛かった。このためパドルが受動的に持ち上がる様にスプリング無しで動作をさせると最大呼気流量=350ml,最大一回換気量=170mlを記録し良好な結果を得ることができた。生理的なinflate動作の時には横隔膜の収縮時には下部肋骨は外方運動をする。本実験ではこのような運動はなかった。これは下部肋骨がケースを介して、パドルの後方でだけ支点でつながっているためであった。DASは実現可能な装置であると考えられた、その臨床応用化には駆動装置の小型化が必要だが、パドルを駆動するには通常と同様に呼気時に肺のelastic recoilを利用し、吸気時のみの外力で十分である。
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