1997 Fiscal Year Annual Research Report
低体温における脳血流、脳代謝の部位特異的変化の解明
Project/Area Number |
08671560
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
佐古 和廣 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80113736)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 義浩 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70261419)
|
Keywords | hypothermia / cerebral blood flow / glucose metabolism / Autoradiography rat / NO / adenosine |
Research Abstract |
昨年度の研究においてラットの体温(直腸温)を37℃から30℃に低下させると脳温は大脳皮質と尾状核においてそれぞれ29.3℃,29.7℃と有意差を認めないにもかかわらず脳血流は前者で20.4%の低下に対し後者は43%の低下を示した。一方グルコース代謝はそれぞれ48.8%,46.0%とほぼ同程度の低下であった。 本年度は大脳皮質と尾状核にアイクロダイアリーシス用プローブを挿入し、37℃と30℃で一酸化窒素,アデノシン濃度を測定した。 結果 1.一酸化窒素濃度は37℃では大脳皮質,尾状核で50.3,43.6pmol/20ul、30℃ではそれぞれ47.3(94%),41.8(96%)pmol/20ulであった。 2.アデノシン濃度は37℃では大脳皮質,尾状核で221.5,215.4、pg/20ul、30℃ではそれぞれ131.5(59%),101.5(47%)pg/20ulであった。 この結果は一酸化窒素は、低体温時の脳血流の部位特異的変化には関与せず、アデノシンが関与している可能性を示唆するものであった。
|