1996 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷モデルにおける神経移植による機能的回復に関する研究
Project/Area Number |
08671563
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
伊藤 康信 秋田大学, 医学部, 講師 (00184698)
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Keywords | 神経移植 / 脊髄移植 / 皮質脊髄路 / 胎仔中枢神経系組織 / DiI / 神経再生 |
Research Abstract |
胎仔中枢神経系組織の成熟ラット脊髄内移植モデルにおいて,移植組織内への皮質脊髄路の軸索再生を評価するために,蛍光色素DiIのよる皮質脊髄路内軸索の標識に関する予備実験を行った.Xylazine,acepromazine,ketamineカクテルの腹腔内麻酔後に正常成熟Sprague-Dawleyラットを定位脳手術装置に固定し,右後肢皮質運動野(bregma後方2.5mm,正中より右外側に2.5mm)に深さ1mmの小holeを作成してDiI結晶を留置した.DiI標識ラットを経時的に潅流固定し,vibratome横断切片(100μm)を作成して落射型蛍光顕微鏡下に標識軸索を観察した.DiI標識後2週で,左皮質脊髄路が選択的にDiIで標識され、標識軸索は腰髄レベルまで達した.次に,成熟S-Dラットの下位胸髄(T10)に左背側1/4吸引腔(1側皮質脊髄路を含む)を作成し,胎生14日の脊髄組織をsubpialに導入した脊髄内移植モデルを作成した.移植後2ヶ月の組織学的検討では,脊髄内移植された胎仔脊髄組織は宿主脊髄と良好に生着し,宿主-移植境界部に嚢胞形成,明瞭な瘢痕形成などは同定されなかった.後肢皮質運動野をDiI標識した移植ラットではDiI標識の皮質脊髄路からの再生線維が頭側宿主-移植境界部を横断し,胎仔脊髄組織内に伸展するのが観察された.しかし,移植組織を横断して尾側宿主脊髄に到達する標識線維は認められなかった.したがって,脊髄内移植された胎仔脊髄組織は我々がこれまで証明してきた後根神経の再生だけでなく,皮質脊髄路に代表されるcentral axonの再生も支持・促進する環境を提供しうることが証明された.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yasunobu Itoh: "Regenerated dorsal root fibers form functional synapses in embryonic spinal cord transplants." J.Neurophysiol.76・2. 1236-1245 (1996)
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[Publications] Yasunobu Itoh: "Intramedullary spinal cord germinoma : Case report and review of the literature." Neurosurgery. 38・1. 187-191 (1996)
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[Publications] Yasunobu Itoh: "NT3 enhances dorsal root regeneration into spinal cord." Soc.Neurosci.Abstr.22・1. 764-764 (1996)
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[Publications] 森大志: "移植胎仔脊髄組織による軸索損傷後の神経細胞死の救済-成熟ラット赤核脊髄路損傷モデルを用いて-" 神経組織の成長・再生・移植研究会 第11回学術集会論文集. 8・1. 57-58 (1996)
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[Publications] 伊藤康信: "神経の再生と機能再建-基礎と臨床-" (編集)志水義房,井出千束,川村光毅,戸谷重雄,東儀英夫 (発行)西村書店, 288-299 (1997)