1997 Fiscal Year Annual Research Report
双極子追跡法によるてんかん発作時突発波の発生部位診断(てんかん外科治療の非侵襲的術前診断法の開発)
Project/Area Number |
08671565
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
峰清 一郎 千葉大学, 医学部, 助手 (70190709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 祥夫 千葉大学, 医学部, 教授 (60092079)
山浦 晶 千葉大学, 医学部, 教授 (40009717)
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Keywords | てんかん / 双極子追跡 / てんかんの外科治療 / てんかん原性焦点 |
Research Abstract |
1.頭皮電極から記録したてんかん発作時突発波の脳内電源を双極子追跡法を用いて推定し、その測定精度と問題点を明らかにした。2.本年度は難治性てんかん患者7例を対象として検討した。症例の内訳は前頭葉てんかん3例(内1例は前蓋内電極を設置)、側頭葉てんかん4例(内1例は頭蓋内電極を設置)である。3.発作に選考して、あるいは同期して発生する突発波の早期成分を解析の対象とし、その脳内電源の位置とベクトルモーメントを計算した。4.(1)前頭葉てんかんの3例中筋電図などのアーチファクトの少ない脳波を記録できた2例では、複数の突発波の脳内電源がすべて同一の領域内に推定され、(2)それらの発生部位は臨床病状と一致した。(3)硬膜下電極を留置した1例では、硬膜下電極で固定したてんかん原性焦点と、双極子追跡法で推定した突発波の脳内電源の位置が一致した。(4)アーチファクトの混入が著しかった1例は各突発波の電源の部位がばらつき、本法からてんかん原性焦点の部位を固定することはできなかった。5.側頭葉てんかんの4例はすべてアーチファクトの少ないデータを得ることができた。(1)その内2例は双極子追跡法で推定した突発波の脳内電源は一定の領域内に推定され、それはてんかん発作型及び神経放射線学的診断所見と一致したが、(2)他の2例では双極子追跡法で推定した突発波の脳内電源が一定の領域には推定されず、本法ではてんかん原性焦点の位置を固定することはできなかった。6.頭蓋骨円蓋部直下の大脳皮質より発生する電位の同定は、信頼性が高く、本法は臨床応用が可能であると思われた。7.頭蓋底に接近する大脳皮質より発生した電位は、本法での発生部位診断の信頼性が低かった。これは、周囲の頭蓋の構造が複雑でしかも骨の含気に個人差があることが原因と推測される。測定条件に更なる工夫が必要であると思われた。 8.筋電図の混入は本法の精度を著しく低下させた。
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Research Products
(1 results)