1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671569
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
遠藤 俊郎 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70125269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑山 直也 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (30178157)
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Keywords | cerebral artery / dissecting aneurysm / intramural hemorrhage / vasavasorum / elastin / pathogenesis |
Research Abstract |
1)臨床剖検例の検討:前年までの研究成果を踏まえ、動脈壁vasavasorumと壁内出血の病理所見および動脈壁解離病態との関連につきより詳細な検討を継続し、新たに以下の所見を確認することができた。(1)中膜層に認められる壁内出血の一部は内膜層に及び、広範な壁解離を引き起こす原因となりうることが示唆された。(2)壁内出血周囲の病理連続切片の観察および立体構築所見より、vasavasorumの一部が破綻し壁内出血に連続する変化を複数確認した。一部は、動脈瘤様膨隆を示す壁破綻部位に近接して観察され、動脈瘤形成の一機序になりうることも示唆された。(3)解離性動脈瘤についても、病理所見を裏付けとする血管撮影所見やMRI所見に関する新たな評価基準を見い出した。 これらの成果については、別記論文として発表または掲載予定となっている。 2)動物実験モデルによる検討:脳卒中易発症ラットおよび家兎を用い、実験的解離性動脈瘤動物モデルの作成と発生機序の解明を計ってきた。しかし一部動脈側壁に動脈瘤様膨隆所見は見るものの、その病理形態は臨床例とは著しくかけ離れた結果であり、その成果は未だ不十分である。特に高度の動脈硬化所見と関連するvasavasorumの発達や壁内出血の所見は得られず、動物モデル実験の困難さに直面している。モデル動物の変更や血流負荷を長期に加えることなど、さらに工夫をくわえて検討を継続する予定である。
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