1996 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体結合マグネタイトによる特異的脳腫瘍画像診断への応用
Project/Area Number |
08671574
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (50220835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 教授 (40158449)
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Keywords | マグネタイト / 脳腫瘍 / MRI / 造影剤 / 画像診断 / モノクローナル抗体 / リポソーム / グリオーマ |
Research Abstract |
目的:磁性鉄微粒子がT2緩和時間を短縮することを利用して、MRIの陰性造影剤としての応用の可能性について基礎的検討を重ねてきた。今回磁性酸化鉄超微粒子に腫瘍特異抗体を結合させ、脳腫瘍のMRIを用いた質的画像診断への可能性につき検討した。方法:マグネタイトをリン脂質二重膜にて被覆したマグネトリポソームに抗グリオーマ抗体G-22を添加し抗体標識化マグネタイトを作製した。これをU-251-MGヒトグリオーマ移植ヌードマウスに100μmol-Fe/kg-body weightの割合で静脈投与し、以降経時的にMRI T2強調画像(4.7tesra,Tr=1500ms,Te=60ms)を撮像し、腫瘍内とレファレンスあるいは腫瘍以外の組織とのT2信号強度の比を計測した。また、投与後48時間目に腫瘍塊及び肝臓を摘出し、各組織内の鉄分の分布状態を検討した。なお、抗体非結合マグネタイトをコントロールとして投与し比較検討した。結果:投与前に比べ、抗体結合マグネタイトは投与後30分すでに腫瘍内の信号の低下が観察されたが、その信号低下率は24時間後で最大値比を呈した。48時間後には信号の回復が認められたが、投与前に比し23〜50%の信号低下が持続していた。病理学的検討では、肝臓内への取り込み量はコントロールとの差はなかったが、腫瘍組織内への取り込みは抗体結合マグネタイトに有為な増加が観察された。結論:グリオーマに対するMRIを用いた特異的画像診断用造影剤としてG-22抗体標識化マグネタイトの有効性が示唆され、今後病理学的な検索を更に追加していく予定である。
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