1997 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体結合マグネタイトによる特異的脳腫瘍画像診断への応用
Project/Area Number |
08671574
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 講師 (50220835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 教授 (40158449)
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Keywords | マグネタイト / 脳腫瘍 / 画像診断 / モノクローナル抗体 / リポソーム |
Research Abstract |
目的:近年の磁気共鳴イメージングは造影剤による描出様式によって微細な情報が提供されるようになってきた。我々は磁性酸化鉄超微粒子であるマグネタイト(Fe_3O_4)に腫瘍への特異的集積性を持たせた脳腫瘍の機能的MRI造影剤を開発し、その有用性を検討している。方法:Polyethyleneglycol(PEG)存在下で液中共沈法にて作製したPEG-マグネタイト(PEGMAG)に、グリオーマに特異性の高い抗原を認識するモノクローナル抗体(G-22)を使用した。このマグネタイトをG-22関連抗原陽性のU-251ヒトグリオーマ細胞株が生着したヌードマウスの尾静脈より投与し経時的にMRI撮像を行なった。結果:マグネタイト微粒子に固定化されたモノクローナル抗体(G-22)は約6割の活性を維持し得た。腫瘍部位への集積効果としてはG-22PEGMAGの場合、投与直後から48時間後まで腫瘍部位の信号強度が著明に低下した。また、腫瘍周辺と腫瘍深部に分けてその信号強度を検討した場合、周辺部でのG-22PEGMAGとIgGPEGMAGの差がやや縮小する傾向を認めたが、深部ではよりその差が明確となっていた。BerlinBlue染色にて投与内容によるその鉄分分布を比較すると、G-22PEGMAG投与群では腫瘍周辺血管周囲から腫瘍塊内及び腫瘍表層に鉄分が広く分布し、腫瘍細胞内にも取り込まれていた。IgGPEGMAGでは腫瘍周辺を被覆するマウス結合組織には吸着されている像が観察されたが、腫瘍塊内への取り込みは認められなかった。抗体未結合のPEGMAGでは腫瘍周辺血管周囲にも殆ど鉄分の分布を認めなかった。結論:G-22PEGMAGは、脳腫瘍のMRI用特異的造影剤として有用であることが示唆され、今後さらに磁気センサーへの応用、高周波磁場を用いた温熱治療への応用へ向けて研究を重ねて行く予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 若林俊彦,他: "モノクローナル抗体結合マグネタイトによる特異的脳腫瘍画像診断への応用" Imervision. 12(8). 30 (1997)
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[Publications] Uchiyama.T, et al.: "Position sensing of magnetite gel using MI sensor for fain tumor detectins." IEEE Transactions on magnetics.33(5). 4266-4268 (1997)
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[Publications] Yanase M, et al.: "Intracellular Hyperthermia for Cancrusing Magnetite Cationic Liposomes.Exvivostudy" Jpn.J.Caneer Res.88. 630-632 (1997)