1997 Fiscal Year Annual Research Report
リポソーム封入シスプラチン及びシスプラチン誘導体による脳腫瘍ターゲッティング療法
Project/Area Number |
08671591
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 尚武 長崎大学, 医学部, 教授 (50039517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠 伸年 長崎大学, 医学部, 助手 (20231706)
徳永 能治 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (00207557)
安永 暁生 長崎大学, 医学部, 助教授 (90124841)
|
Keywords | 脳腫瘍 / リポソーム封入シスプラチン / シスプラチン誘導体 |
Research Abstract |
多糖(プルラン)被覆リポソームの有用性は生体内投与後の構造安定性が多数の糖分子や高分子量の抗体を結合した後も保持されることにあるので、さらに新たな認識素子として2糖-1-アミノラクトースの導入を行い、1アミノラクトース修飾プルラン被覆リポソームを調製しシスプラチンを封入する。また、Pyridoxic acid-ジアミン白金(II)錯体はシスプラチン脂溶性誘導体である。これらの薬剤を用いて、以下の実験を行った。 (1)脳腫瘍移植ラットを用いた頸動脈動注法で、^<14>C標識したプルラン被覆リポソームの脳腫瘍分布は中性リポソームの4.5倍に増加、逆に脾臓では1/4に減少した。移植5日目のプルラン被覆リポソーム封入シスプラチンの平均生存期間は35.3日で、コントロール群の20.3日と比較して有意に延長した。1アミノラクトース修飾プルラン被覆リポソーム封入シスプラチンの腫瘍プラチナ分布率は、プルラン被覆リポソーム封入シスプラチンの4倍であった。 マイクロダイアリシス法による脳腫瘍部における経時的なプラチナ濃度の変化のパターンはPyridoxic acid-ジアミン白金(II)錯体群では、濃度半減期が、シスプラチン投与群に比べて有意に延長した。一方正常脳では両薬剤投与群共に顕著に低かった。又各臓器(腎、肺、脾臓)のプラチナ濃度は明らかに誘導体が低かった。誘導体、シスプラチン共に、コントロール群と比べて生存日数は有意に延長した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Tokunaga Y,et al.: "Antitumor effects of 4-pyridoxate diammine hydroxyplatinum, a novel cisplatin derivative, against malignant gliomas in vitro and in-vivo : A comparison with cisplatin." Pharma Sci. 3. 1-4 (1997)
-
[Publications] Nakashima M,et al.: "In-vivo microdialysis study of the distribution of cisplatin into brain tumor tissue after intracarotid infusion in rats with 9L malignant glioma." J.Pharmacol. 49. 779-780 (1997)