1997 Fiscal Year Annual Research Report
Anoxic depolarizationに対するイオンチャンネルの関与
Project/Area Number |
08671592
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上之郷 眞木雄 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (40145256)
|
Keywords | anoxic depolarization / 脳虚血 / ischemic core / グルタミン酸 / NMDA / non-NMDA / MK801 / DNQX |
Research Abstract |
高度な血流低下に伴う脳損傷を保護する目的で、ischemic coreに生じるanoxic depolarization (AD)の脳損傷発現の関与を検討し、さらに脳虚血保護について各種イオンチャンネル作働薬を中心にADとの関連より検討した。 1.15分以上ADが持続した場合高度な虚血脳損傷出現が高頻度に生じたが、20分の虚血でもADを生じなかった例では虚血脳損傷を認めなかった。 2.AD出現の脳血流(CBF)低下閾値はコントロール値の約20%以下であり、10%以下となると全例でADが出現した。10〜20%を示す例では約半数がADをきたしたが、脳損傷出現に関してはCBF値よりもADの出現有無がより高い相関を示した。 3.NMDA拮抗剤であるMK801の前投与はAD出現の血流閾値を変化することはなかったが、高度な脳損傷出現までのAD持続時間を約5分間延長した。 4.非NMDA拮抗薬であるDNQXは、AD出現の血流閾値を低下させる傾向を認めた。しかし一旦ADが出現した例においては、虚血保護作用を示さなかった。 以上の結果、グルタミン酸の非NMDA受容体阻害薬は、虚血時にNaの細胞内への流入を阻害することでADの出現を抑制し脳保護として作用すると考えられた。一方、NMDA受容体阻害薬は本チャンネルを介したカルシウムイオンの流入を阻害することで、ADが出現した後であっても一定の期間は虚血保護作用を有するものと思われた。
|
Research Products
(1 results)