1998 Fiscal Year Annual Research Report
外来遺伝子導入グリオーマ細胞を用いた悪性グリオーマのワクチン療法
Project/Area Number |
08671597
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Research Institution | UNIVERSITY OF THE RYUKYUS |
Principal Investigator |
宮城 航一 琉球大学, 医学部, 助教授 (60102274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
只野 昌之 琉球大学, 医学部, 助教授 (80179712)
吉井 與志彦 琉球大学, 医学部, 教授 (50110507)
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Keywords | B7 / costimulatory signal / gene therapy / glioblastoma / glioma / tumor vaccine |
Research Abstract |
ワクチンとして悪性グリオーマ細胞にcostimulatory signalであるB7遺伝子を導入しin vivoで悪性グリオーマに対しワクチン効果を確かめた。すなわちラットを用いたin vivoの実験でグリオーマ細胞にB7遺伝子を導入,これを皮下移植し遺伝子非導入グリオーマ細胞と比較して遺伝子導入細胞が免疫拒絶を受ける事を確認した。Fischer ratにT9 cell、T9pLXEN-B7-1 cellを、Wister ratにC6 cell、C6-pLXEN-B7-1 cellをラットの側腹皮下に細胞数5x10^6cells/0.5ml移植し3週間観察した。移植腫瘍の重量、病理学的検討を行い、遺伝子導入細胞と同時に移植した遺伝子非導入腫瘍が免疫拒絶を受けるか確認した。 移植後3週間目の腫瘍重量はT9 cellで7.02gm、対側にB7遺伝子腫瘍を移植した時のT9 cellの腫瘍重量は6.3gm、これに対しT9/pLXEN-B7-1 cellの腫瘍重量は1.9gmであった。一方C6 cellの腫瘍重量は6.09gm、対側にB7遺伝子導入細胞を移植した時のC6cellの腫瘍重量ほ16.8gm(嚢胞を含め)、これに対しB7遺伝子導入腫瘍は3.6gmと明かにB7遺伝子導入腫瘍のサイズは小さかった。T9、C6 gliomaともB7遺伝子導入腫瘍の増殖は抑制されたが、同時に移植した野性型グリオーマは増殖抑制を受けなかった。病理像はB7遺伝子導入T9gliomaでは著しいリンパ球浸潤を認め、特に腫瘍被膜には多数の泡沫細胞を認めた。B7遺伝子導入C6gliomaについてはリンパ球浸潤は著しくないものの腫瘍中心部にもリンパ球を認めた。T9、C6ともB7遺伝子導入腫瘍は野性型腫瘍に比較して免疫担当細胞の浸潤が多く免疫担当細胞が腫瘍の増殖を抑制していると判断した。 腫瘍免疫には自然系ではCytokineの関与が必要で、本実験でB7遺伝子導入グリオーマ自身は増殖抑制を受けたにも関わらずワクチン効果は確認できなかったのはサイトカインを併用しなかったことによるのであろう。今後、サイトカインの併用あるいはサイトカイン遺伝子導入細胞の移植を併用することを試みる。
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