1997 Fiscal Year Annual Research Report
遅発性神経細胞死における組織化学的,生理学的研究-Ca^<2+>-ATPase抗体作製,海馬スライスによる電気生理学的実験,新たな非NMDA型受容体拮抗薬の開発-
Project/Area Number |
08671608
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
小黒 恵司 自治医科大学, 医学部, 講師 (90231232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増沢 紀男 自治医科大学, 医学部, 教授 (60049038)
川合 述史 自治医科大学, 医学部, 教授 (00073065)
太田 敏子 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (40233134)
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Keywords | 脳虚血 / グルタミン酸受容体 / Ca^+-ATPase / プロテインキナーゼC / スライス / 海馬 / 砂ネズミ |
Research Abstract |
1.原形質膜Ca^<2+>-ATPase抗体の作製、免疫組織化学 Ca^<2+>-ATPase TypeII抗体の正常脳における免疫組織化学的マッピングを作成した。海馬に於いては酵素組織化学的検索同様、錐体細胞体、軸索・樹状突起の原形質膜を中心にびまん性に分布しており、CA1-3,歯状回における分布密度に差は認められなかった。 2.砂ネズミ海馬スライスを用いた電気生理学的実験 5分間前脳虚血負荷1-2日後の海馬スライスにおいて、集合シナプス後電位・電流(EPSP・C)を記録した。 (1)グルタミン酸受容体のうちCa^<2+>透過型非NMDA型受容体の阻害剤であるクモ毒素JSTXおよび多数の合成アナログ化合物について、虚血後の錐体細胞に対する効果を調べた。その結果、海馬スライス上で、JSTX及び仮称MU81,270.273の3種で虚血性変化を抑制する効果を持つことが分かった。現在、生体脳室内投与を試行中。 (2)グルタミン酸受容体としては専ら非NMDA型受容体のみが神経細胞死におけるに遅発性のCa^<2+>流入に強く関与すると考えられていた。前年、非NMDA型受容体の競合的阻害剤であるCNQOX潅流下に得られるNMDA型EPSPが0.1-10Hzの低頻度反復刺激により、周期的(約1cycle/min)に電位の大きさを変化させる現象を発見し、本現象が脳虚血による細胞内Ca^<2+>の増加及びPKCの増加に基ずくことを明らかにした。更に、Ca^<2+>-greenを用いた細胞内Ca^<2+>測定で、CA1の一部細胞集団においてに細胞内Ca^<2+>のoscillationが認められ,関連が示唆された。 3.砂ネズミ海馬の対側交連線維刺激による電位マッピング in vivoにおいて、虚血後の砂ネズミ海馬の対側交連線維刺激による定位的なEPSPの記録を行い、電位マッピングを施行した。その結果、虚血後2-8時間の早期にはCA1錐体細胞は過興奮状態にあり、非虚血群に比し、LTPも有意に増大していることが判明した。虚血後早期の電気生理学的現象をin vivoに捉えた初の報告であり、遅発性神経細胞死形成機序解明に寄与するものと考えられる。
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Research Products
(1 results)