1997 Fiscal Year Annual Research Report
IL-12遺伝子導入ヒト悪性グリオーマ細胞を用いての遺伝子療法の基礎的研究-SCIDマウス疑似ヒト環境モデルを用いて-
Project/Area Number |
08671609
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Research Institution | Jichi Medical School |
Principal Investigator |
橋本 雅章 自治医科大学, 医学部, 講師 (60221496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠 清彦 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80192699)
永井 睦 自治医科大学, 医学部, 病院助手 (10265259)
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Keywords | IL-12遺伝子 / 悪性グリオーマ細胞 / SCIDマウス / ヒト疑似環境モデル / 遺伝子療法 |
Research Abstract |
(1)ヒト疑似環境モデルの作製 SCIDマウスの腹腔内にヒト末梢血8より分離した単核細胞を注入し、SICDマウス末梢血におけるヒト由来単核細胞の検出に、モノクローナル抗体を用いたが、約3週間までは存在が認められるも、以降の発現は不充分であった。IL-2を同時投与し、NKT細胞活性を維持することにより、ヒト単核細胞の寿命は延長した。 上記実験系は、早期にSCIDマウスが死亡してしまう例も多く、IL-2以外のサイトカインを用いた実験系の確立も必要と考えられた。 (2)B-IFN長期投与患者のIL-12発現の有無 当科入院加療した悪性神経膠腫患者、あるいは神経膠芽腫患者に対し、B-IFN300万不明を長期投与した。経過中にLAK活性、NK活性とともにIL-12抗体を用いて末梢血中のIL-12の測定を行ったが、有意な上昇は認められなかった。 (3)IL-12cDNA(p35,p40)の悪性神経膠腫(グリオーマ)細胞への導入 IL-12の活性型を形成するp35,p40sinkurinの悪性グリオーマ細胞へのdouble trans fectionはうまくいかなかった。活性型IL-12を用いたin vitroの実験系では、ヒト末梢血単核細胞をeffector細胞とすると、悪性グリオーマ細胞をtargetとし、有意な抗腫瘍活性を認めた。しかし、臨床応用を考えるならex vivoの実験系の確立が重要であり、IL-12遺伝子の導入方法を今後とも検討していく。
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