1997 Fiscal Year Annual Research Report
チロシン水酸化酵素遺伝子導入ブタ神経系幹細胞のラットパーキンソン脳への移植研究
Project/Area Number |
08671613
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内田 耕一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00176687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 篤志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10265829)
原 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60255479)
河瀬 斌 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
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Keywords | Neural grafting / Xenograft / Parkinson's disease / Neural plate / Neural stem cell / Swine / Gene therapy / Dopamine |
Research Abstract |
本研究は、ブタ中枢神経系幹細胞の人工代用ドナーとしての有用性を追究するのもであり、従って研究の焦点は1)中枢神経系幹細胞の遺伝子操作性、2)中枢神経系幹細胞の異種間移植の可能性、3)中枢神経系幹細胞の神経回路網形成能の評価にある。これらの点を解明すべく、平成8、9年度において以下の成果を得た。 1:中枢神経系幹細胞提供ブタ胎仔年齢の決定 In vitroにおいて分裂可能であり、さらに中枢神経系細胞のみに分化し得る中脳胞部神経板細胞を確保できる胎仔年齢につき検討した。妊娠14日、17日、18日、19日、33日の中型ヨ-クシャーより胎仔を帝王切開により無菌的に摘出し、その形態学的、組織学的、電子顕微鏡的検討により胎生17-18日が適正であると判明した。 2:ブタ中枢神経系幹細胞の移植実験 胎生17-18日ブタ胎仔中脳胞部神経板組織を摘出直後にパーキンソン病モデルラット線条体へ移植し、その挙動を組織学的、免疫組織化学的に、またはアンフェタミン誘発回転運動の推移により評価した。 (1)移植後免疫抑制剤(FK506;1mg/kg/day im,Cyclophosphamide;10mg/kg/day ip)の連日投与投与(移植後2週まで)により、移植4-8週の時点でほぼ全例にグラフトの生着を認めた。 (2)組織学的検討では、移植6週のグラフト内に未分化細胞からなるロゼット形成の所見を多数認め、さらにニューロフィラメント、チロシン水酸化酵素陽性細胞もみられた。 (3)電子顕微鏡的検討では、形態的に未熟なニューロフィラメント陽性細胞およびチロシン水酸化酵素陽性細胞にシナプス形成がみられた。 (4)ホストのアンフェタミン誘発回転運動は、移植後4週までは回復傾向は認められなかった。 以上より、胎生17-18日ブタ胎仔中脳胞部神経板組織は異種間移植が可能であると考えられた。また上記の観察期間内ではグラフト内の細胞は形態学的に未熟なものが多く、今後ホスト脳内でさらに分化していく可能性があると思われた。ホストパーキンソン病モデルラットの機能回復の評価についても、グラフト内の細胞が行動回復に充分な量のdopamineを産生すると思われる1年から2年にわたる、長期的な観察が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Uchida et al: "Grafting of Genetically Manipulated Cells into Adult Brain : Toward Graft-gene Therapy" Keio J Med. 45(2). 81-89 (1996)
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[Publications] 内田耕一: "中枢神経系幹細胞による神経回路網再建の試み" 神経研究の進歩. 40(5). 865-873 (1996)
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[Publications] K.Uchida et al: "Neural toxicity of retroviruses" Neurosci.Lett.220. 66-68 (1996)
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[Publications] K.Uchida et al: "Transgenic neural plate contributes neuronal cells that survive greater than one year when transplanted into the adult mouse central nervous system." Experiment Neurol. 132. 194-208 (1995)
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[Publications] K.Hara et al: "Reconstruction of Injured Neurocircuit by Neural Stem Cells" Adv Neurotrauma Res. 8. 27-30 (1996)
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[Publications] K.Hara et al: "Implantation of Xenogeneic Transgenic Neural Plate Tissues into Parkinsonian Rats Brain" Cell Transplant. 6(5). 515-519 (1997)