1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671621
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
飯塚 秀明 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50184346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 一也 金沢医科大学, 医学部, 助手 (00288292)
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Keywords | 圧迫性脊髄症 / 脱髄 / 軸索変性 |
Research Abstract |
脊椎症,靱帯骨化症,転移性脊髄腫瘍など硬膜外からの慢性圧迫による脊髄障害の病態を検討するため,緩徐に膨張する子宮頚管拡張剤を圧迫材に用いた脊髄持続圧迫モデルを作成し,脊髄白質の病変を組織学的に検討した.ラットの下位椎弓下硬膜上に圧迫材(Dilapan)を留置して持続圧迫し,圧迫部脊髄の光顕および電顕による組織学的検討を行った.また圧迫解除の影響を観察するため.7日後に圧迫剤を除去し,その後30日目の変化を,持続圧迫したものと比較検討した. 結果 1)圧迫後1〜3日目の急性期では,後索と隣接する灰白質に限局した出血性壊死を認めた.前角や側索・前索の壊死はなかった. 2)白質では,海綿状変化が2日目から出現し,以後90日まで持続した.この変化は周辺部では軽微で,深部に強く圧迫部位とは関係なく脊髄全体に観察された. 3)電顕所見:側索では,2日目以降,軸索は浮腫性膨化し,ミエリン解離も伴っていた.軸索が脱落しミエリンが小魂状に変性したアクソンボールも多数観察された.この軸索変性の所見は,程度は軽減するが圧迫後90日まで継続して観察された.髄鞘の韮薄化は目立たなかった. 4)圧迫解除例で,非解除群と比べて側索における軸索変性の程度は明かに軽減していた. 結論 本モデルは,急性圧迫モデルとは異なり,脊髄の破壊性壊死はほとんどなく,慢性圧迫による脊髄障害の検討モデルとして妥当であると考えられた.脊髄持続圧迫による白質病変の主体は,脱髄性変化と,圧迫期間中持続する軸索変性が重要と考えられた.圧迫の解除により,これらの軸索病変は改善されることが推測され,圧迫性脊髄症における除圧術の効果を裏付けるものと考えられた.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Iizuka H.: "Germinoma of the optic nerve" Brain Tumor Pathology. 13. 95-98 (1996)
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[Publications] 岡本 一也: "脊髄持続圧迫による白質病変の実験的検討" 日本パラプレジア医学会雑誌. 10. 68-69 (1997)
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[Publications] Sasaki T.: "Roentgenological study of the sogittol diameter of the ceruicul spinal canal in normal adult japanese." Neurol.Med.Chir.38. 83-89 (1998)
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[Publications] 飯塚秀明: "上位頚推損傷の検討" 日本パラプレジア医学会雑誌. (印刷中).
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[Publications] 飯塚秀明: "各種疾患における脊髄神経状の痛みの分析、良性硬膜外病変" Spine Froutier. 4. 65-72 (1997)
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[Publications] 飯塚秀明: "上位頚椎,頚髄障害,(最新脳神経外科学)" 朝倉書店, 11 (1996)
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[Publications] 飯塚秀明: "頚椎前方固定術(脊椎・脊髄の手術)" 医学書院, 8 (1998)