1996 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ-L-乳酸製Instrumentationによる脊椎固定術の実験的研究
Project/Area Number |
08671630
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
庄野 泰弘 北海道大学, 医学部, 助手 (80261288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鐙 邦芳 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00159419)
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Keywords | ポリ-L-乳酸骨接合材 / 脊椎インスツルメンテーション / 固定術 / 生体力学試験 |
Research Abstract |
ポリ-L-乳酸骨接合材(以下PLLA)は吸収性骨接合材で、理想的な固定用材料としての可能性を秘めており、脊椎外科領域では固定術に応用可能と考える。本研究では、PLLAを素材にしたspinal instrumentationを作製し、力学的実験と成犬を使用した生体内応用実験を行いその力学的特性と脊椎固定術に応用した際の生体内でのPLLAの変化と動態特性、移植骨の骨癒合過程を明らかにし、PLLA systemの脊椎外科領域への臨床応用の道を探る。 平成8年度は、成犬腰椎を用いた本実験に向けた予備実験として、PLLA製 Pedicle Screw Systemの試作を複数の実験段階を経て行う。 数種類のPLLA製pedicle screw system (以下PLLA system)を試作した。同様のdimensionを持つステンレス製のsystemを作製し対照群とするとする。ハイポリマーポリエチレン製の人工椎体にimplantを設置し、以下の力学試験を行う(1)非破断試験:3次元荷重負加装置を使用し、静的負荷を段階的に前・後屈、回旋、側屈、軸圧縮方向に加え、非破断荷重負荷にたいする動態特性を比較検討する。(2)破断試験:材料試験機を使用し、軸圧縮荷重をimplantが破断するまで加え、破断様式を明らかにする。(3)疲労試験:MTS材料試験機を使用し、implantが破壊されるまで加え、疲労破断様式と疲労耐性につき比較検討した。 以上より、ステンレス製のsystemに比べ、PLLA systemは非破断試験、破断試験ともに著しく力学的強度が低かった。さらに、疲労試験では、数回の荷重負荷にて破断が生じ、今後の動物実験への使用に関して不安が残った。したがって、再度PLLA製pedicle screw systemの構造・形態の見直しが必要で、より高強度で疲労耐性の高いsystemの開発を今後行う予定である。
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