1998 Fiscal Year Annual Research Report
重複障害患者リハビリテーション時の至適運動量に関する研究
Project/Area Number |
08671633
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
樋渡 正夫 東北大学, 医学部, 助教授 (20189898)
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Keywords | 脳卒中 / 心筋梗塞 / リハビリテーション / 心拍変動 / 心臓超音波検査 / 嫌気性代謝閾値 |
Research Abstract |
1,脳卒中患者のリハビリテーション 脳卒中急性期患者約3000名における心臓超音波検査所見について検討したところ、異常所見として最も高頻度に認められたのは左室壁肥厚で、他に大動脈弁石灰化、心房細動、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁輪石灰化などが高率であった。脳梗塞患者の再発例について検討すると、高血圧性左室壁肥厚、心房細動(特に左房拡張を伴うもの)、大動脈弁石灰化ならびに閉鎖不全の合併が明らかに高頻度に認められ、これらの進展に関わる高血圧、高脂血症、糖尿病等の管理の重要性を示唆する成績であった。脳卒中患者のリハビリテーション前後に起立負荷試験を施行して心拍変動について検討すると、リハビリテーション施行後の安静時心拍数の減少は副交感神経系の相対的機能亢進によるものであり、立位負荷時の心拍数増加軽減は交感神経活動の抑制によってもたらされることが明らかとなった。 2,心筋梗塞患者のリハビリテーション 急性心筋梗塞患者に嫌気性代謝閾値レベルでの運動療法を指導し、発症直後と6カ月後の心拍変動について検討した。運動療法を継続した患者では心拍応答の速応性に改善を認めた。一方、運動療法を継続できなかった患者では変化が認められないことから、運動療法を指示通り継続しているかどうかの判定に、心拍変動を利用できることが明らかとなった。また、起立負荷時の心拍変動の変化様態は脳卒中患者におけるリハビリテーション施行による変化とほぼ同様であることから、脳卒中患者における心拍変動の変化がおもに運動療法の効果としてもたらされた可能性が示唆された。 3,重複障害患者におけるリハビリテーション これまでの成績と今年度の成績を総合すると、重複障害患者における運動強度として各種障害が進行しない場合には、嫌気性代謝閾値レベル程度の運動を継続することが最も循環応答性を改善すると予想される成績であった。
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[Publications] 樋渡正夫,吉田俊子ほか: "高脂血症" Journal of Clinical Rehabilitation(臨床リハ). 7・7. 702-707 (1998)
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[Publications] 樋渡正夫,佐藤徳太郎: "内科系の診察" 総合リハビリテーション. 26・8. 756-766 (1998)
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[Publications] 吉田俊子,樋渡正夫ほか: "心筋梗塞回復期リハビリテーションにおけるライフスタイル改善効果" Journal of Clinical Rehabilitation(臨床リハ). 7・7. 760-763 (1998)
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[Publications] 樋渡正夫,渡辺美穂子ほか: "呼吸機能障害患者のリハビリテーション" 治療. 81・2. 1010-1011 (1999)
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[Publications] Saiki S, Hiwatari Mほか: "Relation between changes in serum hypoxanthin levels by exera'se and daily physical activity in the elderly." Tohoku J.exp.Med.(印刷中).
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[Publications] 樋渡正夫ほか: "高血圧の個別治療" 医薬ジャーナル社 (阿部圭志,伊藤貞嘉 編), 271 (1998)
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[Publications] 樋渡正夫ほか: "リハビリテーション医学" 南江堂 (三上真弘,石田暉 編)(印刷中),