1997 Fiscal Year Annual Research Report
生体反応促進を利用したサイトカン椎間板内注入療法の開発
Project/Area Number |
08671642
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小森 博達 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (60262169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 淳 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30251507)
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Keywords | 椎間板ヘルニア / 走化性サイトカン / 分子生物学 / 生体反応促進 |
Research Abstract |
昨年度の研究で、移植髄核周辺でおこる炎症巣の形式に走化性サイトカインが関与していることが明らかになった。しかし、大きさの変化を見るために移植部位を皮下組織内にせざるを得なかったため、臨床で見られる硬膜外腔に脱出した椎間板ヘルニアでも同一の事が起こっているかどうか断定できなかった。そこで、本年度はラットの第5・第6腰椎の左側椎弓切除を行い、尾椎から採取した髄核組織を神経根周辺の硬膜外腔に移植した。術後1〜4週間に移植髄核を摘出し凍結し、AGPC法にて抽出された一定量の total RNA から Reverese transcriptase 法にて cDNA を合成した。合成された一定量の cDNA を用いて MCP‐1の特異的primer存在でMCP-1を増幅し測定した。さらに mRNA の定量化をするために competitive PCR も行った。対照としては尾椎椎間板から摘出した髄核組織の残りを用いた。 結果: MCP‐1 の mRNA は手術後1、2週の標本で認められた。 competitive PCR による定量では、手術後1週間での発現量が最高であった。対照とした尾椎正常椎間板には MCP‐1 の出現は認められなかった。以上検討による mRNA レベルにおける MCP‐1 発現時期は、昨年度の皮下に移植したモデルでの MCP‐1 陽性細胞の比率の結果と同一であり、移植髄核周辺におこる炎症巣形成の早期に MCP‐1 が強く関与していることが明らかになった。次年度は、 MCP‐1 投与によっておこる炎症の促進によって神経組織に損傷が加わらないかどうかを検討し、臨床応用の可能性を確認する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 波呂浩孝: "Saqueutial Pyramics of Monocyte Chemo Tec Tic Protein-1 Eprcssion in Heeuiated Nucleus Pulposus Resmptior" Jowral of Orthopedc Resesrch. 15. 734-741 (1997)
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[Publications] 波呂浩孝: "ヘルニア腫症縮小のメカニズムと問題点" New Mook 整形外科「腰椎間板ヘルニア」. 2. 53-66 (1997)