1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞融合制御蛋白の血液単球における選択的発現とその機能-特に破骨細胞の起源について-
Project/Area Number |
08671652
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
須藤 啓広 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (60196904)
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Keywords | 破骨細胞 / 単球 / Fusion Regulatory Protein(FRP)-1 / CD98 / モノクローナル抗体 / C-Src |
Research Abstract |
細胞融合制御因子として見い出されたFusion Regulatory Protein(FRP)-1/CD98分子は、血液細胞のなかでは単球に選択的に発現しており、また単球に抗FRP-1抗体を作用させると、何らのFusogenなしに多核巨細胞が出現することが明らかになった。 我々はこの多核巨細胞が破骨細胞としての性質を持つことを証明してきたが、破骨細胞形成に関与する遺伝子について解析した。reverse transcriptase polymerase chain reaction(RT-PCR)法、 RNase protection assay(RPA)法を用いて解析したところ、protooncogeneであるc-srcが抗体を作用させて約3時間で発現が認められた。さらに、抗体を作用させることによりcathepsin-K、CAII、V-ATPase、VNR、TRAP、OPN、c-fmsは、発現量の増加が認められたが、逆に、galectin-3では低下し、c-fosでは変化がなかった。特にcathepsin-K.CAIIなど骨吸収に強く関与していると考えられている遺伝子にその発現量の増加が顕著であった。また、二重免疫染色を用いてFRP-1/CD98とp60c-srcのdistributionを調べたところ、破骨細胞への分化に伴い、両者がco-localizeしてくることがわかった。 次に、fusion regulatory protein(FRP)/CD98に対するモノクローナル抗体の解析を行ったところ、細胞融合を阻害する抗体(HBJ127)が存在することが明らかとなった。抗FRP-1抗体とHBJ127はepitopeの違うことがわかり、抗FRP-1抗体を末梢血単球に作用させたあと、HBJ127を作用させるとc-srcの発現が抑えられることが明らかとなった。
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