1996 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる移植骨の生着度判定の試み-MRIによる移植骨のtissve characterization-
Project/Area Number |
08671679
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
日下 義章 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40205068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 昌彦 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60208329)
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Keywords | MRI / 骨移植 / tissve characterization / 骨組織 |
Research Abstract |
[研究目的]整形外科領域において、移植骨の生着度の判定は患者のリハビリテーションを行う上できわめて重要であるが、正確な判定は困難なことが多い。MRIでは組織のプロトン密度と核磁気緩和時間(T_1,T_2)が信号強度を決定する。本研究の目的は、生着過程にある移植骨のMRI画像から得られるこれらのパラメーターを詳細に検討することにより、逆に移植骨組織の組織の構造や組成の推定し、その生着過程を定量的に明らかにすることにある。 [研究方法]家兎の海綿骨、皮質骨を摘出してプロトン密度(脂質含有率、水分含有率)、核磁気緩和時間(T_1,T_2)をin vitroで正確に測定して基礎データとする。さらに腸骨の自家移植または同種骨移植を行い、経時的に移植骨を摘出しプロトン密度(脂質含有率、水分含有率)、核磁気緩和時間(T_1,T_2)をin vitroで正確に測定して基礎的研究結果をもとに解析する。これと平行して、組織学的に移植骨の変化を観察しMRIパラメーターと組織学的変化の関係を明らかにする。以上より、MRIによる移植骨の生着度の判定方法を確立する。 [研究結果]現時点では、正常骨組織に関するデータが出ている。皮質骨、海綿骨ともに水分含有率と緩和時間には正の相関が存在した。正常な皮質骨は水分含有率が低く、緩和時間がきわめて短いのが特徴であった。海綿骨では緩和時間が長く、同じ水分含有率の皮質骨と比較しても緩和時間が長いことが特徴であった。また、海綿骨には脂肪が多く含まれるために、水と脂肪をMRIにより分離して測定すればより多くの情報が得られることが明らかになった。以上のデータをもとにして、今後移植骨の生着過程をMRIを用いて定量的に評価する予定である
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