1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671680
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Research Institution | Osaka City University Medical School |
Principal Investigator |
格谷 義徳 大阪市立大学, 医学部, 講師 (20204521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
油谷 安孝 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (90200873)
大橋 弘嗣 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70254406)
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Keywords | 骨吸収 / オステオライシス / 人工関節 / 破骨細胞 / マクロファージ |
Research Abstract |
整形外科領域では、病的な骨吸収による骨欠損の拡大が各種病変の進行に大きく関与する。その代表例として、人工関節置換術後の弛み、慢性関節リウマチにおける関節周囲への病的滑膜の侵入、あるいは腫瘍性病変の骨への浸潤などが挙げられる。 我々は、骨組織を含む硬組織を大型のクリオスタットを用いて凍結切片を作製して病的骨吸収の部位を検索した。この方法を用いると骨表面における細胞を各種モノクローナル抗体を用いて染色する事が出来、より詳細な細胞の分類が可能になった。さらに我々はラベルされた細胞を骨形態計測の手法を用いて計測し、各種病態における差異を定量的に分析した。その結果、特に人工関節の弛みの過程においては、一般に信じられてきた破骨細胞による骨吸収よりも生体材料から生じた磨耗片に反応して増殖したマクロファージ、或いは異物巨細胞がより重要な働きをする事を示した。(文献参照)この研究により人工関節の弛みにおいて骨吸収の主役をなす細胞の種類その分布が明らかになり、それに基づいて病態に応じた骨吸収予防及び治療法の検討が可能になったと考えている。
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[Publications] 格谷 義徳 他: "人工股関節の弛みにおける臼蓋側、大腿骨側の骨吸収細胞の病理学的検討" 日本関節外科学会雑誌. 16巻・1号. 17-22 (1997)
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[Publications] 大橋 弘嗣 他: "人工関節周囲の骨溶解の機序" リウマチ科. 18巻・5号. 463-471 (1997)
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[Publications] 大橋弘嗣 他: "人工関節周囲の骨溶解-その発生と予防に関する基礎的研究-" 日本関節外科学会雑誌. 16巻・3号. 211-220 (1997)
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[Publications] Y.Kadoya et.al: "Wear Particle Species and Boue Loss in Failed Total Joint Arthroplasties" Clinical Orthopedics and Related Research. 340. 118-129 (1997)
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[Publications] Y.kadoya et.al: "Wear and Osteolysis in Total Joint Replacements" Acta Orthopaedica Scandinavica. Supple 69. 1-17 (1998)
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[Publications] H.Ohashi,Y.Kadoya et al: "Joint Arthroplasty" Springer-Verlag Tokyo, 425(22-35) (1999)