1996 Fiscal Year Annual Research Report
腰椎椎間板ヘルニアによる神経因性疼痛発現機序の解明
Project/Area Number |
08671685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
川上 守 和歌山県立医科大学, 整形外科科学, 講師 (20195051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 哲也 和歌山県立医科大学, 医学部・整形外科科学, 教授 (30009592)
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Keywords | 自家椎間板 / 髄核 / 線維輪 / 痛覚過敏 / 疼痛行動 / phospholipase A_2 / 一酸化窒素 / 拮抗剤 |
Research Abstract |
本研究の目的は椎間板組織が疼痛を惹起するか、その発現に如何なる化学物質が関与するかを検討することにあった。ラット尾椎より摘出した椎間板組織の腰椎脊髄神経根留置により患側足部に痛覚過敏が出現した。すなわち、髄核移植により圧刺激に対する痛覚過敏が、線維輪移植により熱刺激に対する痛覚過敏がそれぞれ出現した。硬膜外ステロイド投与にて髄核による痛覚過敏の改善がみられたが有意な変化ではなかった。一方、phospholipase A_2の拮抗薬であるメパクリンの硬膜外投与により圧刺激に対する痛覚過敏は消失した。線維輪を含む椎間板組織の移植では圧刺激に対する痛覚過敏は認められなかった。しかしながら一酸化窒素合成酵素の拮抗薬であるL-ニトロアルギニンメチルエステル(L-NAME)投与にてはじめて痛覚過敏が出現した。また、線維輪移植でみられた熱刺激に対する痛覚過敏は硬膜外へのL-NAME、生理食塩水投与にて消失した。自家椎間板組織により動物における疼痛行動の指標である痛覚過敏が出現することならびにその痛覚過敏発現にphospholipase A_2、一酸化窒素が関与することが判明した。すなわち、自家椎間板組織は神経根の機械的圧迫なしに疼痛を発現せしめることが明白となった。また、生理食塩水投与による痛覚過敏の改善はこれら以外の化学物質の関与や機序を示唆している。今後は臨床でみられる神経根の機械的圧迫そのものが神経根性疼痛にどのような関与するかを検討し、さらにphospholipase A_2、一酸化窒素の定量のみならず他の化学物質の関与の有無、脊髄レベルでの影響について検討する予定である。
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[Publications] Mamoru Kawakami: "Disc materiais produce pain-related behavior in the rat : The role of pH, immune response and chemicals." Orthopaedic Transactions. 19(4). 877- (1995-6)
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[Publications] Mamoru Kawakami: "The role of phospholipase A2 and nitric oxide in pain related behavior produced by application of intervertebral disc to the sciatic nerve in the rat." Transaction Orthopedic Research Society. 21(1). 188- (1996)
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[Publications] Mamoru Kawakami: "Pathomechanism of pain-related behavior produced by allografts of intervertebral disc in the rat." Spine. 21(18). 2101-2107 (1996)
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[Publications] 川上 守: "自家椎間板組織による神経根性疼痛の発現機序" 日整会誌. 70(8). S1314- (1996)
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[Publications] Mamoru Kawakami: "Pathomechanism of pain related behavior produced by autologous intervertebral disc on the nerve root in the rat." Transaction of Orthopedic Research Society. 22(1). 270- (1997)