1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
林 信宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50244752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 守 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20195051)
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Keywords | 慢性圧迫 / 神経根障害 / ラット / b-FGF |
Research Abstract |
1.髄核を用いた神経根性疼痛モデルにおける神経根周囲癒着の組織学的検討: ratの一側L4, 5の神経根を展開し、その上に尾椎の自己髄核を移植したモデルでは、圧刺激に対して痛覚過敏が起こることは、すでに報告した。このモデルでは処置後2週、4週、6週と経時的に神経根周囲の瘢痕組織が増大し、それにより神経根が機械的に圧迫される傾向にあるが、圧迫の程度は大きいものでも30%前後であり、慢性圧迫モデルとするには不十分であった。一方組織学的には、処置後6週群の患側神経根で、Kluver-Barerra染色における染色性の低下が観察され、脱髄の可能性が示唆された。 2.新たな慢性圧迫性神経根障害モデル作成の試み: 週齢5週のratを用い、一側のL4/5, 5/6の椎間関節の外側部のみを切除し、L4, 5の神経根を展開する。これらの神経根後方に1)自家腸骨、2)自家腸骨+bFGF100μg or 200μg、3)自家腸骨+chromic-gut+bFGF200μgを移植した。処置後3週まで経時的に熱刺激および圧刺激に対する後足の逃避反応を定量化したが、痛覚過敏から痛覚鈍麻まで種々の反応を示し、一定の傾向は認められなかった。また処置後3週の組織学的変化では、16匹中、2匹にcentral stenosisを6匹にlateral stenosisを認めた。骨性狭窄の程度は最大40%くらいまでであったが、大部分は神経根周囲に間隙が温存され、直接神経根を圧迫するまでには至っていない。今後さらに経過観察期間を延長し検討する予定である。
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