1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671686
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Research Institution | Wakayama Medical College |
Principal Investigator |
林 信宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50244752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 守 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20195051)
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Keywords | 慢性圧迫 / 神経根障害 / 動物モデル |
Research Abstract |
腸骨を用いた今回の圧迫モデルでは、処置後6週までは神経根に中等度の圧迫(30〜40%)を認めたが、この時点では行動薬理学的に運動麻痺や知覚異常などの神経症状を認めず、さらに12週ではこれらの圧迫が消失しており、慢性圧迫モデルとするには不十分であった。この原因として移植した腸骨が3〜6週を境として吸収されるためであり、今後この吸収過程を抑制するような機序、すなわちステロイド剤の免疫抑制効果を利用する等の処置を施せば、慢性圧迫モデルに一歩近づく可能性がある。また今回の実験では軟骨・骨形成促進作用を有するとされているbasic Fibroblast growth factor (b-FGF)を移植腸骨上に散布投与し、骨形成を期待したが、b-FGF投与群と非投与群の間で骨形成に関しては有意差は無かった。今後はより強力な骨形成促進作用を有するBone morphogenetic protein (BMP)が手に入れば、これを用いて再度慢性圧迫モデル作成を試みる予定である。今回の実験系から得られた情報は、慢性圧迫性神経根障害モデルを作成するには、最大圧迫の程度が40%前後では不十分で、50〜60%あるいは70〜80%とより高度な圧迫モデルが必要であることが示唆された。また生理的な圧迫因子として自家骨以外に新たな圧迫因子を模索する必要があろう。
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