1996 Fiscal Year Annual Research Report
脊柱靭帯骨化症の成因に関する検討-全身性骨化に関する免疫学的、内分泌学的検討-
Project/Area Number |
08671697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岡島 行一 東邦大学, 医学部, 助教授 (60104212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 史堂 東邦大学, 医学部, 教授 (40126024)
岡田 弥生 東邦大学, 医学部, 助手 (60256758)
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Keywords | 脊柱靭帯骨化症 / エストロゲン / TGF-β / b-FGF |
Research Abstract |
脊柱靭帯骨化症は厚生省難病特定疾患に指定されており、当教室が所属する厚生省脊柱靭帯骨化症調査研究班を中心に各施設において調査研究が行われている。我々は脊柱靭帯骨化症は全身的骨化素因を有し、その部分現象として脊柱靭帯骨化が認められるという仮説を立てている。そこで今回は、当教室で現在行っている培養靭帯細胞が産生する各種増殖因子の測定やエストロゲン存在下での測定を継続して行った。さらに全身的骨化素因の1つとして末梢単核球に着目し、健常人と骨化症患者の末梢単核球増殖能の比較やそれらのエストロゲン存在下での比較検討を行った。 1、まず脊柱靭帯骨化症患者の非骨化部靭帯組織を手術時に摘出し、RPMI-1640medium中で細切後培養した。5代継代後の培養靭帯細胞を24wells plateにて各wellに5X10^5個になるよう調整、分注した後、各濃度に希釈した3,17-Estradiolをそれぞれのwellに1-7日間連続添加した。これらのwellから培養上清を回収し、各wellの培養上清中のTGF-β、b-FGF、IL-1,2,6,TNF-α,GM-CSFなどを測定した。その結果、TGF-β産生はエストロゲン添加で増加し、いずれのエストロゲン濃度でも産生比は3-5日目がピークとなった。また、エストロゲン7.3X10^<-8>M添加時に産生比は最大となり、7.79まで増加した。対照群ではestradio17.3X10^<-6>M添加時に5日目をピークとして産生比が2.21まで増加したが、他の濃度では変化がなかった。また、estradio17.3X10^<-9>M添加時には培養5日目と7日目に対照群で産生比が0.6まで低下したが、患者群では4-5と有意に上昇した。b-FGFも同様に患者群でエストロゲン添加によって増加し、産生比は培養3-5日目をピークとして上昇した。産生比はエストロゲン7.3X10^<-8>添加時の培養3日目に最大となり9.25であった。対照群においても3日目にピークを示したが、最大3.67でいずれのエストロゲン濃度でも患者群は対照群より高値を示した。現在エストロゲンレセプターを染色にて同定することを試みている。 2、脊柱靭帯骨化症患者の比骨化部靭帯細胞をエストロゲンや各種増殖因子添加群と非添加群に分けての長期継代培養については、まず腫瘍細胞以外での長期培養が困難であることから培養法を検討中である。これと平行して、手術時に骨細胞を採取し、破骨細胞の継代培養が可能かを検討している。培養法が確立されればエストロゲンやTGF-β、BMP、b-FGF等の各種増殖因子添加群と非添加群に分けてRPMI-1640+10%FCS medium中で長期継代培養し、その形態学的変化を光顕、電顕レベルで観察する予定である。
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Research Products
(1 results)