1997 Fiscal Year Annual Research Report
脊柱靭帯骨化症の成因に関する検討-全身性骨化に関する免疫学的内分泌学的検討-
Project/Area Number |
08671697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岡島 行一 東邦大学, 医学部, 教授 (60104212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣内 史堂 東邦大学, 医学部, 教授 (40126024)
岡田 弥生 東邦大学, 医学部, 助手 (60256758)
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Keywords | 脊柱靭帯骨化症 / エストロゲン / TGF-β / b-FGF / リンパ球反応低下 |
Research Abstract |
脊柱靭帯骨化症は進行すると脊髄圧迫症状が出現し、患者のQ.O.Lを著しく低下させるだけでなく、症状が現れない時点でも軽微な外傷をきっかけとして脊髄症状を出現させることがある。現在本疾患は厚生省難病特定疾患に指定されており、当教室が所属する厚生省脊柱靭帯骨化症調査研究班を中心に各施設において調査研究が行われている。我々は脊柱靭帯骨化症は全身的骨化素因を有し、その部分現象として脊柱靭帯骨化が認められるという仮説を立てた。そこで今回はまず、当教室で現在行っている培養靭帯細胞が産生する各種増殖因子の測定やエストロゲン存在下での測定を継続して行った。さらに全身的骨化素因の1つとして末梢単核球に着目し、健常人と骨化症患者の末梢単核球増殖能の比較やそれらのエストロゲン存在下での比較検討を行った。 1、平成9年度の研究の続行として靭帯細胞の長期継代を試みている。これは来年度に継続する。 2、これまでの我々の報告で、骨化誘導においてエストロゲン、各種増殖因子が相互に作用しあっていることが推測された。そこで本年度は全身的な骨化を導く一つの因子として末梢リンパ球の細胞性免疫能の異常を想定し、これを証明する研究を行った。まずT細胞機能異常の指標として末梢単核球のPHAに対する反応性、およびplate-coatした抗CD3抗体反応性を検討した。その結果、患者群では健常者に比較してこれらの反応性が低下しており、末梢T細胞機能の低下が示された。また、B細胞機能の指標としてPWM、SAC1の反応性を検討したところ、こららも患者群で健常者より低下していた。一方、リンパ球表面マーカーを検討したところ、CD3,4,8,19,25ともに患者群で異常は見られなかった。またT/B比にも健常者との間に有意な変化は見られなかった。さらに末梢単核球のエストロゲンやTGF-β、,b-FGF反応性では、エストロゲン添加時には異常が見られなかったものの、その他の増殖因子添加時では患者群で健常者に比較して反応性の低下が見られた。これらのことからOPLL患者末梢単核球の機能低下が示唆された。また、今回血清中の各種増殖因子をRIA,ELISA法で測定した。その結果、TGF-β,b-FGFが患者群で低下傾向にあることが明らかとなった。 3、脊柱靭帯骨化症の3タイプそれぞれので培養細胞の増殖因子産生や末梢単核球増殖能に差が認められるかは現在奨励数を増やして検討中である。
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Research Products
(2 results)