1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671705
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
内藤 正俊 福岡大学, 医学部, 助教授 (40227715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 公介 福岡大学, 医学部, 教授 (40136437)
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Keywords | 寛骨臼(Acetabulum) / 血流量(Blood Flow Rate) / 寛骨臼骨切り術(RAO) / 動物実験(Animal Model) |
Research Abstract |
寛骨臼回転骨切り術、寛骨臼移動術は股関節臼蓋形成不全に対する代表的な観血的治療法であり、前方及び側方進入路を用いる両術式により大部分の症例では良好な術後精製が得られる。一方、両術式の重篤な術後合併症として移動した寛骨臼での骨壊死の発生がある。安全に骨切りを行うためには移動させる寛骨臼を十分に展開する必要がある。このため移動した寛骨臼への栄養路は関節包を経由する血管系のみに依存することになり、このことが移動した寛骨臼での骨壊死の発生と関連があると考えられる。しかし、寛骨臼荷重部の血行動態についての定量的研究は皆無である。我々は吸入式水素クリアランス法を用い、股関節の血行動態に関する実験的研究を行ってきている。平成8年度から9年度にかけて吸入式水素クリアランス法を用い、荷重部寛骨臼の血行動態に関する実験的研究を行なった。成熟犬12匹を材料とし、透視下に骨盤内壁より両側の寛骨臼荷重部へプラチナ電極をそれぞれ刺入固定した。右側はコントロールとし、展開せず左側と同時に血流量の測定のみを行った。左側では、(1)殿筋群の剥離、(2)寛骨臼の骨切り、(3)関節包の前方部分、骨頭の直上の近位部分、後方部分、骨頭の直下部の遠位部分の切離を段階的に行ない、それぞれの前後で血流量を測定した。また、バリウムを用いて、それぞれの前後で血管撮影も行った。この結果、寛骨臼の血流は殆ど殿筋群からの血管に由来することが判明した。このことを第65回米国整形外科学会で発表した(平成10年3月20日、New Oreans)。
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