1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671709
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 善博 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00142802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 篤 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40250443)
原澤 克己 北海道大学, 医学部, 助手 (30271662)
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Keywords | 痛み / ラット / 脊髄 / 脳幹 / ヒスタミン / 侵害反射 / 前根電位 / 後根電位 |
Research Abstract |
疼痛伝達の抑制に対し内因性鎮痛系が持つ機能的役割と、それを内的・外的因子により賦活化する可能性について研究を進めた。新生ラットの遊離脊髄標本あるいは脳幹-脊髄摘出標本において、腰髄後根に侵害電気刺激を加えると、同髄節の前根から緩徐前根電位(sVRP)、近接髄節の後根から後根電位(DRP)が記録できる。sVRPは疼痛反応の指標となり、DRPは脊髄への感覚入力レベルあるいはシナプス前抑制の指標となる。これらsVRPおよびDRPに対する内因性鎮痛系の影響を、特に、ヒスタミン受容体との関連において解析し、以下の成果を得た。 1.遊離脊髄標本による解析:脊髄側索の単発電気刺激はsVRPの振幅および持続時間を共に抑制した。この側索刺激はsVRP誘発刺激に対し約0.02〜2秒先行して加えたときに有効であった。さらに側索刺激により腰髄レベルでDRPが誘発された。DRPの振幅、ピーク値までの時間、および1/2ピーク値での持続時間は、それぞれ約0.1-0.5mV、180msおよび500msであった。以上のことから、脊髄内の疼痛抑制神経機構を電気的に賦活化することにより鎮痛効果が誘発できる可能性が示唆された。これには一部シナプス前抑制が関与していることが明らかになった。 2.脳幹-脊髄標本による解析:人工脳脊髄液へのヒスタミン(0.001〜10μM)の投与は、脊髄標本におけるsVRPを0.1μM濃度で最大80%の抑制した。これに対し、脳幹-脊髄標本では用量依存性にsVRPを抑制した(10μM濃度:基準値の約63%)。10μMにおける抑制率には標本間で有意差が認められた。以上のことから、脳幹でのヒスタミン受容体の賦活化は脊髄レベルの侵害受容反射に対し、より効果的である可能性が示唆された。現在、ヒスタミン受容体サブタイプの侵害受容における役割についてさらに解析をすすめている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 太田善博: "脊髄内疼痛抑制機構の解析:新生児ラット遊離脊髄標本を用いて" J. Anesth.10. A426-A426 (1996)
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[Publications] 原澤克己: "脊髄侵害反射に対するヒスタミンの効果:新生児ラット脳幹-脊髄標本を用いて" J. Anesth.10. A165-A165 (1996)
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[Publications] 神田知枝: "大縫線核ニューロン活動に対するα2アドレナリン使用薬の効果:ラット脳幹スライスを用いて" J. Anesth.10. A167-A167 (1996)
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[Publications] Kanda T: "Activity changes of rat raphemagnus neurons by clonidine and yohimbin in vitro." Anesth. Analg.84・2S. S308-S308 (1997)
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[Publications] Ohta Y: "Inhibition of the spinal nociceptive transmission by non-steroidal antiinflammatory drugs in the neonatal ratspinal cord in vitro." Anesth. Analg.84・2S. S322-S322 (1997)
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[Publications] Harasawa K: "Effects of histamine and a H3 receptor antagonist thioperamide on the ratspinal nociceptive reflex." Anesth. Analg.84・2S. S301-S301 (1997)