1997 Fiscal Year Annual Research Report
急性痛および痛覚過敏状態下でのNMDA受容体の変動
Project/Area Number |
08671725
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
丹羽 雅之 岐阜大学, 医学部, 講師 (40156146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 修司 岐阜大学, 医学部, 教授 (40155627)
植松 俊彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (50151832)
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Keywords | 急性痛 / 慢性疼痛 / NMDA受容体 / オピオイド / 受容体結合実験 / アジュバント関節炎 / ホルマリン / カラゲニン |
Research Abstract |
頻回な侵害刺激や末梢神経障害時には、侵害受容線維より放出される興奮性アミノ酸による脊髄後角の侵害受容ニューロンのNMDAレセプターの活性化の関与が明らかになっている。したがって、実験的に痛み刺激を負荷し痛覚過敏を示した疼痛モデル動物から脳および脊髄を摘出し、脳・脊髄内のNMDA受容体の変動をRadiolabeled receptor binding assay法にて検討した。 方法:(1)炎症性疼痛モデルの作製:ラットの一側後肢足蹠部皮内にComplete Freund's Adjuvant(以下、CFA)を注入し、炎症性疼痛モデル動物を作製した。(2)侵害受容反応の測定:上記の疼痛モデル動物の後足背側に機械的圧刺激を加えたpaw-pressure法によって侵害受容閾値を測定し、痛覚過敏の程度を経時的に評価した。(3)NMDA受容体結合実験:CFA注入7日後に大脳皮質、海馬および脊髄を摘出し、粗シナプトソーム分画を調整した。結合実験は常法に従いフィルター濾過法により行い、成績はScatchard plotにて解析した。なお、NMDA受容体リガンドとして^3H-MK801を用いた。なお、対照群として、生理食塩水を下肢に注入したものを用いた。 2.結果および考察:CFAを足蹠に接種し痛覚過敏を示したラットから得られた大脳皮質および海馬での^3H-MK801特異的結合の総受容体濃度(Bmax値)および解離定数(Kb値)は、ともに対照群と有意な差を認めなかった。一方、CFA注入群の脊髄において、Kd値に変化のないもののBmax値が対照群と比して有意な増加を示した。即ち、CFAによる炎症性疼痛刺激を加えたラットの大脳皮質および海馬ではNMDA受容体に変動は認められなかったが、脊髄においてはNMDA受容体のup regulationが認められた。以上のことより、炎症性疼痛下の脊髄におけるNMDA受容体の増加が痛覚過敏に関係していることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 太田宗一郎: "モルヒネ依存モルモットにおける脳内α2アドレナリン受容体の変動" 麻酔. 46・5. 640-643 (1997)
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[Publications] 太田宗一郎: "急性炎症性疼痛刺激によるラット脳・脊髄内オピオイド受容体の変動について" 麻酔. 46・5. 644-649 (1997)
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[Publications] M.Niwa: "Expression of Bax and Bcl-2 protein in the gerbil hippocampus following transient forebrain ischemia and its modification by phencyclidine," Neurol.Res. 19・6. 629-633 (1997)
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[Publications] K.Kohno: "Role of nitric oxide in the convulsive seizures induced by fluoroquinolones coadministered with 4-biphenyl acetic acid," Gen.Pharmacol.29.5. 767-770 (1997)
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[Publications] T.Iwamura: "Opioid receptor affinites of tyrosine ω-phenylalkyl ester,simple enkephalin pharmacophore-mimics," Ann.Proc.Gifu Pharm.Univ.46. 37-46 (1997)
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[Publications] U.Akter: "Effects of several agents on UVB-and UVA plus systemic fluoroquinolone-induced erythema of quinea pig skin evaluated by reflectance colorimetry," Free Radic.Biol.Med.24・8(in press.). (1998)
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[Publications] 丹羽雅之: "水野美邦編,アポトーシスと疾患" 医薬ジャーナル社(印刷中), (1998)