1997 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸・心拍・血圧の3者連動解析による脳幹機能評価に関する実験的研究
Project/Area Number |
08671741
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河本 昌志 広島大学, 医学部, 助教授 (40127642)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 昌三 広島大学, 医学部, 助手 (50294559)
|
Keywords | 心拍変動 / 周波数解析 / インパルスレスポンス / 脳死 |
Research Abstract |
平成9年度 心拍変動解析の評価システム及び解析プログラムを開発した.また直接動脈圧から得られる収縮期圧波形は,気道内圧も同様の解析処理を可能とするプログラムを開発した.呼吸波形は,気道内圧,呼気終末CO_2濃度のいずれかを用いた.これら3つのパラメータ間でのインパルスレスポンスを解析し,呼吸・心拍・血圧の3者間の関連を調べた. 家兎を用いた動物実験では,生理的状態で呼吸性心拍変動が観察された.これは脳死モデルでは人工呼吸によっても影響を受けなかった.動脈圧は心拍からのインパルスレスポンスが遅延する可能性が示された.気道内圧あるいは呼気終末CO_2濃度は心拍変動に明らかな影響を示さなかった. ヒトにも応用可能であることから,集中治療室において脳死判定をうけた患者で心拍と人工呼吸の影響を無呼吸状態と比較した.無呼吸状態で交感神経・副交感神経成分を含む低域周波数成分が増加し,副交感神経活動の指標である高周波数領域の活動度が低下した.CO_2の蓄積による交感神経活動の亢進の影響を強く受けることが示唆されたが,気道内圧あるいは呼気終末CO_2濃度の影響は明らかではなかった. 結語 呼吸性心拍変動および心拍変動の動脈圧へのインパルスレスポンスは意識レベルと深い関係があることが示唆されたが,呼吸の影響は,当初の予測と異なり明らかではなかった.今後さらに実験的および臨床的に覚醒レベルの違いに応じた各変化量の相互関連を調べる必要がある.
|
Research Products
(1 results)