1997 Fiscal Year Annual Research Report
抹消刺激に対する痛覚反応と局所脳脊髄代謝の変化から検討した麻酔薬の作用機序-麻酔薬の脳脊髄への限局投与による比較検討-
Project/Area Number |
08671745
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中木村 和彦 山口大学, 医学部, 助教授 (50180261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美志也 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (60243664)
石川 敏三 山口大学, 医学部, 講師 (90034991)
坂部 武史 山口大学, 医学部, 教授 (40035225)
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Keywords | イソフルラン / モルヒネ / 中枢神経 / 脊髄 / ミダゾラム / 電気刺激 / 鎮痛 / 局所脳脊髄代謝 |
Research Abstract |
雄性Wistarラットを用いて,イソフルラン麻酔またはモルヒネ投与時にミダゾラム(4μg/5ml/10分)を脳室内に投与し、minimum alveolar concentration (MAC) とtall flick test (TFT)、および局所脳脊髄ブドウ糖消費量の変化を調べた。 イソフルランのMACは、1.25%であった。脳室内ミダゾラム投与60〜120分後、MACが平均0.1%増加した。MAC±0.2%のTFTを調べた結果、(1)個体間の差が大きいが、[MAC-0.2]%〜[MAC-0.1]%におけるTFTは無麻酔時の対照値(3〜5.5秒)と比べて、不変または軽度(5〜20%)短縮した.(2)[MAC+0.2]%では、ほとんど(80%)のラットがcut of time(15秒)を越えた。[MAC-0.15]%において、脳室内ミダゾラム投与のTFTに及ぼす影響について検討した結果、ミダゾラム投与60〜120分後にTFTが20〜50%延長した。 モルヒネの筋注および静注がTFTとPaCO_2に及ぼす影響を検討した結果、モルヒネ1mg/kg(10分間)静注後、2mg/kg/時の速度で持続静注することにより、PaCO_248〜50mmHgでTFTが10秒以上に延長した状態を180分間以上維持できることがわかった。この方法でモルヒネ持続静注時、脳室内にミダゾラムを投与すると、投予後60分〜120分にかけてTFTが20〜40%短縮した。 脳室内ミダゾラム投与が局所脳脊髄ブドウ糖消費量に及ぼす影響を調べた結果、イソフルラン1%吸入またはモルヒネ持続静注時の脳脊髄代謝は、脳室内ミダゾラム投与によって有意な変化を示さなかった。また、イソフルランまたはモルヒネ投与時の挫骨神経電気刺激による局所脳脊髄ブドウ糖消費量変化に対しても、脳室内ミダゾラム投与は有意な影響を及ぼさなかった。
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