1998 Fiscal Year Annual Research Report
アナフィラキシーショック時の低血圧発現機序における交感神経抑制の役割
Project/Area Number |
08671746
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Research Institution | KAGAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
相引 眞幸 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (70148162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 啓輔 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20226632)
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Keywords | アナフィラキシー / 交感神経活動 / サイトカイン / ショック |
Research Abstract |
アナフィラキシーショックの低血圧発現機序として、化学伝達物質の末梢血管拡張作用、血管透過性亢進に伴う循環血液量の減少や心筋抑制等が指摘されているが、その病態生理については不明な点が多い。申請者(信州医誌、37:275-288,1989)とKoyamaら(Am.J.Physiol.,258:R383-387,1990)は、同ショック時において、早期の血圧低下に際しても、交感神経活動の抑制が出現することを報告している。今回の研究目的は、このアナフィラキシーショック時の交感神経抑制の、ショック発現における役割を明らかにすることであった。 今年度の実験で、麻酔下感作家兎において、本ショック発現の確率を上げ、同ショック時の交感神経活動を、これまでより、さらに長時間安定して測定できた。その結果、以前から報告してきたアナフィラキシーショック時の交感神経抑制に、中枢への迷走神経求心性入力の増加が重要であることが再確認できた。しかし、同ショック時の各種化学伝達物質やサイトカイン動態については、昨年と同様に結果のばらつき大きく、一定した傾向は得られなかった。今年度の目標であった、動脈中と髄液内IL-6とIL-8の検討についても、有意な変化を捕らえるにいたらなかった。この理由の一つとして、個体の感作後の抗体産成量の差異による可能性もあり、今後同ショックの実験モデルを再考する必要がある。
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