1996 Fiscal Year Annual Research Report
Kチャネル開口薬の気道平滑筋弛緩機序におけるイノシトールリン脂質代謝の役割
Project/Area Number |
08671750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 治 長崎大学, 医学部, 助教授 (80136671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 修 長崎大学, 医学部, 助手 (80274661)
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Keywords | Kチャネル / 気道平滑筋 / イノシトールリン脂 |
Research Abstract |
Kチャネル開口薬は気管支平滑筋の強い弛緩作用を有していることから喘息の治療薬として最近注目されている。その作用メカニズムとして、Kチャネルを開くことにより細胞を過分極にし、二次的に電位依存性Caチャネルを抑制する。その結果細胞内へのCaの流入が制限され平滑筋は弛緩すると考えられている。しかし、Kチャネル開口薬は電位依存性Caチャネルのみを抑制しているのではなく、受容体作動性Caチャネルなどにも影響を与えていることが示唆されている。アセチルコリンアナログのカルバコール、ノルエピネフリン、ヒスタミンさらに過換気が気管平滑筋PI代謝を亢進させること(Shibata O et al.Anesthesiology 82:102-107,1995,Anesthesiology 81:A1442,1994)から、ラットを用い、これらによって気管平滑筋PI代謝を亢進させ、それに対するKチャネル開口薬の影響について検討する。 方法:(1)先ず、Kチャネル開口薬の気道平滑筋弛緩作用をみるために収縮実験装置(マイクロイ-ジ-マグヌス、トランスジューサ-、岸本医科、京都)を平成8年度の科学研究費補助金で購入した。(2)雄性ウイスターラットの気管を取り出し、3mmのリングを作製し、上記装置を用い酸素95%、二酸化炭素5%で通気したKrebs-Henseleit液中で1.5gの静止張力を与え定常状態をえた。アセチルコリンアナログのカルバコール5.5μMやKCl40mMで一定の収縮をえたのち、各種Kチャネル開口薬を段階的に増加投与して容量・拡張曲線を描かせた。 結果:1)カルバコール5.5μM投与で気管平滑筋の張力は平均2.1gに達した。Kチャネル開口薬のクロマカリムは濃度依存性にカルバコール誘発性気管平滑筋収縮を抑制し、1μMで有意に抑制し、100μMでほぼ完全に抑制した。
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Research Products
(1 results)