1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671771
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Research Institution | TEIKYO UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
森田 茂穂 帝京大学, 医学部, 教授 (60143476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 眞一 帝京大学, 医学部, 助教授 (40160832)
市瀬 史 帝京大学, 医学部, 講師 (40276712)
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Keywords | 人工心肺 / Nitric oxide / 冠動脈バイパス術 / 血小板機能 / 術後出血 / フローサイトメトリー / アプロチニン / モノクロナル抗体 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き実際に人工心肺を使って冠動脈バイパス術を受ける患者を4群に分け、1:コントロール、2:アプロチニン100万KIU、3:NO 100PPM、4:NO100PPM_+アプロチニン100万KIUとして症例を集めた。CPBの前後及び最中のあらかじめ決めた10時点で少量の血液を採血し、フィブリノーゲン、血小板表面のa顆粒蛋白p-selectin,glycoprotein Gpllb/llla、Gplbの量をモノクローナル抗体をもちいたflow cytometry 法によって測定した。当初予想していたよりも症例の集まりが悪く、現時点では1群と2群が8名ずつ、3群が4名集められただけである。それは緊急の手術を除き待期的な冠動脈バイパス術に限定したためと考えられる。従って中間報告であるが、ここまでのところ、従来報告されていたよりかなり少量のアプロチニン(100万KIU)により血小板の活性化が抑えれることが示された。出血量についてはアプロチニン群はコントロールに比べやや少ない傾向があるが、統計学的には有意な差がでていない。NOに関してはこの濃度(100PPM)では血小板保護効果も出血量の減少も見られなかった。今後の方針としては更に症例を増やすことはもちろんであるが、それに加えてより高濃度のNOの投与を考慮するつもりである。動物実験ではNO500PPMで血小板保護効果がみられ、1000PPMでは毒性が見られたと報告されている。従って、100PPM以上のNOを患者に投与する前にNOの安全性を動物実験で確認する必要が有ると考えられる。いずれにせよ、NO単独での血小板保護効果は予想していたより弱いことがこれまでの結果は示唆している。アプロチニンとNOの同時投与を今後検討していく予定である。
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