1996 Fiscal Year Annual Research Report
潜在(偶発)並びに臨床前立腺癌における染色体領域欠失の比較検討
Project/Area Number |
08671797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 悟 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50197141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 之夫 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40165626)
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Keywords | 潜在前立腺癌 / 臨床前立腺癌 / ヘテロ接合性消失 |
Research Abstract |
潜在前立腺癌は高頻度に発生するが、臨床癌に発達するものはごく一部であり、両者の生物学的特性に関与する遺伝子変異が異なる可能性が示唆される。我々はmicrosatellite領域PCR法を用いて潜在並びに臨床前立腺癌における染色体上領域の欠失(ヘテロ接合性消失)の特徴を比較検討することを初年度の目標とした。 剖検時に発見された高齢者微小潜在前立腺癌(75歳以上、腫瘍径10mm以下)並びに前立腺全摘除術施行時に得られた臨床前立腺癌(pT2,3)のパラフィン包埋標本からmicrodissection法を用いて癌細胞DNAを抽出した。同様に正常組織標本(剖検例では腎臓のパラフィン包埋標本、全摘例では転移のないことを確認した所属リンパ節)から得たDNAをコントロールとした。染色体7q31,8p22-p21,16q23-qter,18q21-q22のmicrosatellite領域primers各々4組を用いてPCRを施行し、蛍光式オートシーケンサーでそれぞれの染色体上領域のヘテロ接合性消失を解析した。 これまでのところ臨床前立腺癌(n=20)では7q31,31%;8p22-p21,58%;16q23-qter,52%;18q21-q22,41%にヘテロ接合性消失を認めた。一方、潜在前立腺癌(n=20)では7q31,33%;8p22-p21,29%と、両群間で染色体上領域の欠失の頻度に相違があることが示唆されている。さらに両群の症例数を増やし統計学的検討を加える予定である。
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