1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671807
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
友吉 唯夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20025547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80230704)
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Keywords | 精子抗原 / 精細胞 / 精巣腫瘍 / 精子形成過程 |
Research Abstract |
(1)精子形成過程における精子特異抗原の発現 ヒト及びラット精巣組織を対象として、各一次抗体HSA-5、HSA-10、HS-13、HS-33を用いたABC法にて免疫組織化学的に各対応抗原の発現を調べた。その結果、いずれの抗原も精子細胞の段階から発現が確認できた。精粗細胞、精母細胞では免疫反応陽性産物は認められなかった。各抗原は精子細胞で発現していたものの、それらの局在は完全には一致しておらず、微妙に異なっていた。詳細については現在解析中である。免疫電顕的に観察できたHS-13の場合には、対応抗原HSAg-13は先体部分に認められた。他の抗原についても同様の実験を進めている。 (2)ヒト精巣腫瘍組織における精子特異抗原の発現 まず、腫瘍組織凍結切片を免疫組織化学的に検討した。一部の腫瘍組織に陽性反応が得られたが、陽性成分を識別特定することは極めて困難であった。 次に、RT-PCR法によってmRNAの発現を調べた。部分的に判明しているHSAg-5のcDNA配列から特異的な部分を選び出し、プライマーを作製した。β-アクチンを陽性対象物質として、マウス精巣及びヒト精巣腫瘍組織からmRNAを抽出し、cDNAに変換しPCR法を施行した。β-アクチンのバンドは全対象で認められた。一方、HSAg-5バンドはマウス精巣と2例のセミノーマ症例でのみ認められた。3例の精巣胎児性癌では陰性であった。同様に行ったHSAg-63(全cDNA配列が明らかになっている)の場合には正常精巣組織ではバンドが認められたが、腫瘍部分では全例陰性であった。症例を増やし、cDNA配列が部分的に判明しているSTX-10も併せて検討継続中である。
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