1996 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌に対するIL-12を用いた遺伝子治療の基礎的検討
Project/Area Number |
08671816
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中本 貴久 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (40240874)
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Keywords | 腎細胞癌 / 遺伝子治療 / インターロイキン-12 |
Research Abstract |
【目的】腎細胞癌に対するIL-12を用いた遺伝子治療の可能性を検討する目的で、マウス自然発生腎細胞癌であるRenca細胞にIL-12遺伝子を導入し得られた細胞(Renca IL-12)の特性を検討した。【方法】1.Renca細胞(以下wild)にMFG retroviral vectorを用いてmIL-12p35とmIL-12p40遺伝子を導入し、遺伝子導入効率はマーカー遺伝子としたlacZ遺伝子の発現をX-gal染色にて確認した。2.培養上清中のIL-12量はPHA幼弱化リンパ芽球に対する増殖能を指標として定量した。3.in vitroにおける細胞の増殖能は培養細胞数を経時的に算定した。4.BALB/cマウス側腹皮下に1x10^5個の細胞を移植、形成された腫瘍容積を測定、in vivoにおける腫瘍形成能を検討した。【結果】1.lacZ遺伝子は86%の細胞で発現した。2.Renca IL-12培養上清中のIL-12量は、146.7ng/10^6cells/48hと高濃度であった。3.in vitroでのRenca IL-12の増殖はwild型と差を認めなかった。4.in vivoにおけるRenca IL-12の腫瘍形成能はwild型と比較して有意に低下していた。【結論】MFG retroviral vectorを用いて高濃度の生物学的活性を有するIL-12を分泌するRenca IL-12を作製した。In VivoでこのRenca IL-12の腫瘍形成能は低下していたが、in vitroでの増殖能に変化はなく、この腫瘍形成能の低下はin vivoにおける免疫系が関与していることが示唆された。
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[Publications] Nakamoto, T.et al: "Loss of tumorigenicity induced by interleukin-12 gene transfer in murine renal cell carcinoma cells" Proceedings of the American Association for Cancer Research. 38 (in press). (1997)
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[Publications] 中本貴久,他: "腎細胞癌に対するIL-12遺伝子の基礎的研究.IL-12遺伝子導入細胞の作成" Biotherapy. 11 (3). 290-292 (1997)