1996 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌におけるVEGF発現誘導のメカニズムの解析
Project/Area Number |
08671852
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
溝上 敦 産業医科大学, 医学部, 助手 (50248580)
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Keywords | 腎癌 / VEGF / promoter / TPA |
Research Abstract |
Northern blottingの結果、我々の所有しているcell lineのうちSN12cが比較的よくVEGF mRNAを発現していた。VEGF mRNAの発現はTPAにより約2時間から4時間で4倍まで誘導された。この発現の誘導が転写レベルで調節されているかどうかみるため、Actinomycin Dを用いてVEGF mRNAのstabilityを観察した。この半減期は約120分で、TPAの有無に関係がなかったため、TPAは転写レベルでVEGF mRNAの発現を調節していることが示唆された。次に、我々はPCRによってcloningした2.3kbのhuman VEGF promoterをLuciferase geneの上流につないだreporter plasmid(pSV-2271VEGFLuc)をすでに作成していたため、これをSN12c cell lineにCa-Phosphate法にてtransfectした。VEGF promoterはAN12cの中で十分なpromoter活性を持っていた。更にTPAはVEGF mRNAの発現を誘導していたため、TPAによってpSV-2271VEGFLucの活性が上昇するかどうか調べた。TPAはこの活性を約5-6倍上昇させていた。しかしながら、cAMPやProstaglandin E2はこの活性を上昇させなかった。VEGFのpromoter領域には可能性のあるAP-1 binding siteがいくつかあることが既にわかっているが、本当にこれらのAP-1 binding siteが今回のTPAによる誘導に関与しているかどうか調べるため、VEGF promoterのserial deletion mutantを制限酵素等を用いて作成した。現在これらのmutantを用いてTPA response elementを調査中である。
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