1997 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌におけるVEGF発現誘導のメカニズムの解析
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08671852
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Research Institution | Unuversity of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
溝上 敦 産業医科大学, 医学部, 助手 (50248580)
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Keywords | VEGF / 腎癌 / プロモーター / TPA |
Research Abstract |
所有している腎細胞癌細胞株のVEGF mRNAのNorthern blottingを行った。SN12Cが最もVEGFを発現。また、SN12CにおいてVEGF mRNAの発現は20ng/ml TPAにより4倍まで誘導。Actinomycin DによりTPAは転写レベルでVEGF mRNAの発現を調節していることが示唆された。次に、PCRによってcloningした2.3kb human VEGF promoterをluciferase geneの上流につないだreporter plasmidを作成し、SN12cにtransfectしてluciferase活性を確認した。TPAによってreporter plasmidの活性が上昇するかどうか調べた。TPAはこの活性を5倍上昇させた。minimalなVEGF promoter活性しか持たないreporter(1個のGC boxのみを含む)によってでもTPAにより約10倍誘導された。以上より、TPAはVEGF promoterの基本転写調節因子に作用し、VEGFの発現調節に関与していることが示唆された。次に、様々なdeletion mutantをSN12cにtransfectし、絶対的なluciferase活性を測定すると、VEGFの転写開始点の上流59bpから86bpまでの間でまず14倍のluciferase activetyの違いが認められた。この領域には3個のGC boxが含まれており、これらがVEGFの基本的な転写発現に関与していると考えられた。さらに転写開始点の上流131bpから400bpまでの領域で2.8倍のluciferase activityの上昇が認められた。つまりこの領域には他のcis-acting elementが含まれていることが示唆された。現在、このDNA断片をsubcloning中である。
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