1997 Fiscal Year Annual Research Report
AFP/E2によるエストロゲン依存性子宮体部癌の増殖抑制に関する検討
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08671856
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山本 律 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (00220509)
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Keywords | alpha-fetoprotein / hepatoid adenocarcinoma / yolk sac tumor / sugar chian |
Research Abstract |
現在に至るまでAFPの糖鎖部分に関しては不明の点が多く、AFPをエストロゲン依存性腫瘍の新しい治療法として応用するにあたり、AFPの糖鎖構造と悪性腫瘍、特に子宮体部癌との関係に関し検討を加える必要があると考えられた。2例の胃肝様腺癌の電気泳動を比較するとConA,E-PHA,allo Aにおいてほぼ同様のパターンを示したが、LCAでは全く異なっていた。卵巣および子宮体部原発肝様腺癌の電気泳動におけるCon A,allo Aでは3例とも比較的類似したパターンを示していたが、LCA,E-PHAにおいては原発臓器に特徴的な電気泳動パターンを指摘することは困難であった。しかし卵黄嚢腫瘍におけるAFPレクチン親和性電気泳動では、すべての卵巣原発卵黄嚢腫瘍でほぼ同一の泳動パターンを示し、腟原発卵黄嚢腫瘍も卵巣原発とかなり類似した電気泳動像を示していた。肝様腺癌におけるレクチン親和性電気泳動では、同一組織に発症した肝様腺癌での個々の症例のtumor heterogeneityに起因するAFPレクチン結合性の違いの他に、子宮体部原発肝細胞癌でyolk sac typeのglycoformを示したように、原発組織の違いに起因するAFPレクチン結合性の違いも混在している可能性が示唆された。また卵黄嚢腫瘍の電気泳動では、腟原発および卵巣原発ともに卵黄嚢腫瘍に特徴的とされるすべてのバンドを認めたが、E-PHA,allo Aにおいてわずかな泳動パターンの違いを認めた。発生母細胞がともに胚細胞であることと、それぞれの分化度にあまり大きな違いを認めないことが、卵黄嚢腫瘍のレクチン結合性の均一性をもたらした要因の一つと考えられるが、それらのわずかな違いがtumor heterogeneityによるものかtis suespecificityによるものかは、1例のみの結果で議論することは不可能であった。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Yasuhiko Ebina: "Reritoneal Cytology and its Progrotic Value in Endomctrial Carcinoina" Int.Surg.82. 244-248 (1997)
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[Publications] Ritsu Yamamoto: "Lectin affinity electrophoresis in a yolk sac tumour in the vagina with yolk sac tumour-type glycoform of α fetoprotein" J.Clin.Pathol.50. 856-858 (1997)
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[Publications] 松田 静治: "周産期におけるcetozopranの治療効果" 日本化学療法学会雑誌. 45(2). 99-107 (1997)
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[Publications] 蝦名 康彦: "子宮体癌診断のチェックポイント;腫瘍マーカー" 産婦人科の実際. 46(3). 313-319 (1997)
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[Publications] 櫻木 範明: "子宮体癌-診断治療のチェックポイント、手術治療-教室における治療方針と成績-" 産婦人科の実際. 46(3). 347-354 (1997)
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[Publications] 晴山 仁志: "卵巣悪性腫瘍(境界悪性腫瘍を含む)における妊孕能温在療法の臨床的検討" 日本癌治療学会誌. 32(4). 392-399 (1997)
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[Publications] 佐川 正: "BRCAlのgerm line mututionが検出された家族性卵巣癌の2家系" 日本産科婦人科学会雑誌. 49(11). 1003-1006 (1997)
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[Publications] 西谷 雅史: "予後を正確に反映した子宮体癌の進行期分類作成の試み" 産婦人科治療. 75(6). 101-106 (1997)
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[Publications] 十亀 真志: "自全 錯体製剤誘発性の悪心・嘔吐に対する塩酸Granisetronとステロイド製剤併用による制吐効果およびQOL評価の検討" Pharma Medica. 15(4). 177-182 (1997)
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[Publications] 佐川 正: "教室における家族性卵巣癌の検討" 日本産科婦人科学会雑誌. 50(1). 15-22 (1998)