1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08671868
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山田 清彦 群馬大学, 医学部・産科婦人科学講座, 講師 (00210443)
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Keywords | preantral follicle / gonadotropin flash / activin / growth hormone / differential display |
Research Abstract |
性成熟を、ヒトでは思春期と呼び慣わすが、その発来の機構には未だ不明な点が多い。この現象について、卵胞の成熟という観点から解明を試みている。齧歯類においては生後2-3週において、gonadotropin flashとして知られる一過性の性腺刺激ホルモンの分泌がみられ、未熟な生殖細胞を成熟状態に変化させるために不可欠なものと考えられている。そこで生後11日令のマウスからpreantral follicleを得て、in vitroで卵胞の培養を行った。このpreantrl follicleは卵胞成熟ホルモン(FSH)単独に反応して成長することはなく、activin A、成長ホルモン(GH)に反応して成長した。FSHはacitvinの存在の下でのみ卵胞成熟を促した。一方FSHあるいはLHRHを幼弱マウスに前もって投与しておくと、そこから得られたpreantral follicleは、activinAならびにFSH単独に反応して成長を開始する。また、生後8週令のマウスから得られたpreantral follicleは、FSH単独に反応して成長し、activin AはこのFSHによる卵胞成熟をむしろ抑制するという結果を得た。これらは、生殖細胞がgonadotropin flash、さらに周期性の性腺刺激ホルモンの供給をうけることにより、未熟な状態から徐々に成熟し、各種生理活性物質に対する反応性を獲得し、成熟した生殖細胞としての性質を獲得してゆくという事を示唆している。現在、FSH、LHRHを投与した幼弱マウス卵巣からの、differential display法、subtractive hybridization法で、性成熟の最初の段階において発現する遺伝子をcloningする研究が進行中である。
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