1996 Fiscal Year Annual Research Report
着床期子宮内膜における細胞膜脂質硫酸化の調節とその意義
Project/Area Number |
08671871
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
百枝 幹雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50221627)
|
Keywords | 子宮内膜 / 着床 / コレステロール硫酸 / スルファチド |
Research Abstract |
子宮内膜において着床期に亢進する細胞膜脂質硫酸化の調節機構を解明する一環として、SV40温度感受性株により不死化した家兎およびヒト子宮内膜上皮細胞を用いて、in vitroで各種ホルモン、増殖因子の影響を検討した。現在までにステロイドホルモン、特にプロゲステロン添加により家兎子宮内膜細胞中のコレステロール硫酸の含有量の増加が観察された。われわれは、家兎子宮内膜において着床期子宮内膜のコレステロール硫酸の一過性発現に同期して合成酵素である硫酸転移酵素活性と分解酵素であるスルファターゼ活性が変化していることを明らかにした。そこで、家兎子宮内膜細胞培養系におけるコレステロール硫酸の発現に連動する合成および分解酵素活性の変化とその調節因子について研究を進めている。 また、子宮内膜細胞の細胞膜脂質硫酸化は初期胚の着床において担う役割を検討することを目的として、不死化子宮内膜細胞と初期胚の共培養系を用い、初期胚の接着、発育に対する硫酸化脂質の影響を検討している。単層培養された家兎子宮内膜不死化細胞上で胞胚を培養することにより、その接着とトロホブラストの発育が観察された。現在、この着床モデルを用いてホルモン、増殖因子の影響について観察している。 さらに家兎子宮内膜で一過性発現をみるコレステロール硫酸に対する抗体作成も計画し作成を試みているが、未だ特異性の高い抗体は得られていない。しかし、ヒト子宮内膜で分泌期に増加する硫酸化糖脂質、スルファチドに対する抗体を共同研究施設から入手することが可能となり、in vitroモデルへの応用を計画している。
|
-
[Publications] Momoeda M,et al.: "Hormone dependent sulfation of lipid in uterine endometrium." In vitro Biology of Sex Steroid Hormone Action.112-119 (1996)
-
[Publications] Momoeda M,et al.: "Sulfation of lipids in uterine endometrium during implantation period." Biology of Pregnancy. 65-73 (1996)