1997 Fiscal Year Annual Research Report
着床初期過程における栄養膜細胞と子宮内膜との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
08671875
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
己斐 秀樹 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20280969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 幸恵 東京医科歯科大学, 医学部, 助手
清水 康史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80242197)
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (50126223)
麻生 武志 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60093176)
|
Keywords | 着床 / 栄養膜細胞 / 子宮内膜 / 胚盤胞 / 細胞内pH / Na^+ / H^+ exchanger / レクチン / ITIM |
Research Abstract |
申請者らは、培養マウス胚盤胞からの栄養膜細胞の伸展を定量的に解析する測定系と培養細胞の細胞内pHを共焦点レーザー顕微鏡により求める測定系を主体にして、着床初期過程における栄養膜細胞と子宮内膜との相互作用を研究した。本年度得られた主な知見は (1)培養マウス胚盤胞において、Na^+/H^+ exchangerの選択的阻害剤の添加により栄養膜細胞の細胞内pHが低下し、伸展が抑制されることから、着床初期の胚盤胞からの栄養膜細胞の過程でNa^+/H^+ exchangerが機能していることが明らかとなった。また、伸展とNa^+/H^+ exchangerの活性化は培養液に添加している血清中に含まれている物質により誘発されていると考えられるが、血清を前処理してヘパリン結合性の物質を除いた場合には伸展が抑制され阻害剤による細胞内pHの低下が観察されなかった。ヘパリン結合性の物質の関与が予想されるが、現在の所ではフィブロネクチンやラミニンといった細胞外基質の他に、IGF-2(insulin-like growth factor 2)やHGF(hepatocyto growth factor)などの働きが中心であると示唆される(in preparation)。 (2)着床期子宮内膜には、LIF(leukemia inhibitory factor)が発現し着床の成立に重要な役割を果たしている。LIFに誘導される遺伝子を検索したところ、ヒトで妊娠初期脱落膜に著増するNK細胞上のKIR(Killer inhibitory receptors)と共通の配列ITIM(immunoreceptor tyrosine inhibitory motif)を有するgp49B1が、マウス着床期子宮内膜上皮に強く発現していることが明らかになった。その機能に関して現在精査中である。
|